効果的な温暖化対策とは?(3)
私個人が色々調べて辿り着いた効果的な温暖化対策とは、科学技術の進歩(技術革新)によるものではなく、世界の経済の有り様を変えることです。
地球環境問題に限らず、SDGsの目標を達成するために最も必要なことは、やはり世界の経済の有り様を変えることである、と考えます。
このように、地球温暖化対策の鍵は科学技術ではなく経済にある、との考えに至るのは自然のようです。
2019年に世界153カ国の科学者1万1000人以上が、気候変動を「非常事態」と認定し、緊急行動を求める署名運動や声明を発表しました。
("World Scientists’ Warning of a Climate Emergency", BioScience, Volume 70, Issue 1, January 2020)
この論文の Economy のセクションで、 "Our goals need to shift from GDP growth and the pursuit of affluence toward sustaining ecosystems and improving human well-being by prioritizing basic needs and reducing inequality". 「我々の目標は、GDPの成長や富の追求から、生存に不可欠なニーズを優先し不平等を是正することによる、生態系の維持と人間のウェルビーイングの向上へとシフトする必要がある。」と述べられています。
気候変動の「非常事態」宣言については異論もありますが、ここでは効果的な温暖化対策は経済の有り様を変えることである、と読み取れる点に着目します。
「気候変動対策の要(かなめ)は経済にあり」ということは、この宣言に関わった科学者だけでなく、各国の政治家やグローバル企業の経営者のなかにも、そう思っている人は少なからずいるのではないかと推測しています。しかし、それを公言することは、自らの首を絞めることになるので言わないだけです。
経済的な価値観をGDPの成長や富の追求ではなく、生態系の維持と人間のウェルビーイングの向上へとシフトすることは、少し前に話題になった「脱成長」や「ポスト成長」の考え方に通じるところがあると考えられます。
一方、技術革新によって環境負荷を下げながら経済成長(GDP増)は継続できるという立場は「グリーン成長」と呼ばれています。
技術革新により本当に環境負荷を下げることができたなら、グリーン成長も可能でしょう。
しかし、電気自動車(EV) のように、目に見えにくいところでの環境負荷が大きい技術革新があります。また、LEDのように1つの環境負荷は減っても、使用量が増えてその効果が消えてしまう場合もあります。
このような事実から、グリーン成長を目指したこれまでの試みは失敗している、と言わざるを得ません。
では、脱成長やポスト成長はどうなのか、については、次の機会に考えてみたいと思います。