地震・火山予知関連のブログ

ボラの大量死は地震前兆か?

 東京新聞から「東京と大阪で同時期にボラが謎の大量死 新月での大潮が酸欠招いた?」といった記事が、5月8日に配信されました。
(https://www.tokyo-np.co.jp/article/176053)

 記事によりますと、3月6日に東京都大田区の呑川で体長12~13センチのボラを中心に約1000匹が死んでいるのが見つかりました。また、大阪市では、3月7日と8日に大阪城に近い平野川と第二寝屋川で、体長約20センチのボラ約7500匹が死んでいるのが見つかりました。
 その後、3月11日に兵庫県南東部を震源とするマグニチュード(M)4.2の地震(最大震度3)、3月16日には福島県沖で M7.3 の地震(最大震度6強)が発生しました。

 東京と大阪のボラ大量死は、これらの地震の前兆ではないか?といった話がネットで広がっていました。
 この件について、東京新聞からコメントを求められました。

 ボラの大量出現や大量死は、春にニュースになることがよくあります。
 ボラと地震との関連をデータに基づいて調べたことはないので、はっきりしたことは言えないものの、今回の件は、しばしば発生する春のボラ大量死の後に、たまたま目立つ地震があったから、これらを結び付けようとしたのではないか、とお答えしました。
 こうした関連づけは人間の心理的な作用(本性)によるものの可能性が考えられます。
 
 今回はたった2事例ではありますが、ボラ大量死の後に地震がありました。しかし、地震を伴わなかったボラの大量死はこれまでにもありました。さらに、ボラの大量死が先行して発生していない地震は、相当数あります。

 何かの出来事と別の何かの出来事との関連性を考える場合は、以下に示す4つの場合(四象限の窓)について、それぞれがどの程度の頻度で起きているのかを考える必要があります。(ボラ大量死と地震を例に)

 前兆ではないか?という今回のネット情報は、① だけを取り上げています。
 地震はマグニチュードが1小さくなると、桁違いに発生数が増えます。
 3月11日に兵庫県南東部で発生した地震程度の規模(マグニチュード4)であれば、日本周辺で年間900個程度発生しています(2001〜2010年の気象庁地震データより)。このことを考慮すれば、②ボラ大量死なし&地震ありのケースが非常に多くなることが容易に想像できます。

 今回のネット上のうわさは、1日平均2回程度発生する出来事に対して、別の出来事がたまたま場所と時期が2回連続して重なったに過ぎない、と考えるのが妥当かと思います。

2022年05月16日

予測的中を宣伝する記事

 4月30日のYahoo!ニュースに "4月19日の福島県地震が的中…「麒麟地震研究所」が捉えた「M8超」級の前兆ノイズ" といったタイトルの週刊誌記事が掲載されていました。
 元の記事は SmartFLASH (https://smart-flash.jp/sociopolitics/180146) になります。

 年に数回、いくつかの週刊誌が「地震の予測的中!」と銘打った記事を掲載し、それがネットにも流れます。
 結論から言えば、こうした記事はすべて煽り記事のたぐい、もしくは有料地震予測情報を読者に買わせるための宣伝記事に過ぎません。

 本当に地震との関連が示唆される先行現象であるなら、それは査読付き学術論文で発表されるべきものです。
 発表する場所が学術論文や日本地震学会などではなく週刊誌であることから、「安易に信用すべき情報ではない」と判断するのが賢明です。

 今回の記事には、2011年3月11日東日本大震災の2日前3月9日14時30分ごろに大きな電磁ノイズがあり、それが3.11の前兆、とありました。実は、3月9日11時45分ごろに前震とされるマグニチュード(M)7.3の地震が発生しています。しかし、この地震前に電磁ノイズはなかったようです。

 4月19日に福島県で発生した地震はM5.4(暫定) と、2011年3月9日の地震(M7.3)よりもかなり小さい地震です。
 地震のマグニチュードは1違うとそのエネルギーは約32倍、2違うと1000倍にもなります。
 規模(マグニチュード)のより大きな地震では前兆がなく、それよりかなり小さな地震で前兆あった、というのも説得力に欠けます。

 また、マグニチュードが1小さくなると、その発生数はおよそ10倍に増えます。
 日本周辺で発生するM5クラスの地震は年間120個程度ありますが、M7クラスだと2個程度と極端に少なくなります(2001〜2010年の気象庁地震データより)。
 地震予知は本来めったに起こらない大きな規模の地震を当てなければならないのに、それをハズし、しばしば発生する規模の小さな地震を当てたと言われても、これまた説得力がありません。

 さらに、2011年3月9日の電磁ノイズについては、本震の前兆と考える前に、このマグニチュード7.3の地震による何らかの影響による可能性を考察すべきでしょう。

 こうした記事は、地震などに予備知識のない読者を煽るものに映ります。
 もし、あなたが地震のことをあまり知らない場合、まずは、その情報の出所や大元の発信源はどこなのか?その出所(発信源)は信用できるのか?について考えることをおすすめします。

2022年05月09日

津波避難と地震予知

 "「津波避難タワー」費用負担が課題…「高齢者にはきつい」建設しても使われないケースも"
 (https://news.yahoo.co.jp/articles/e8422b65a723b1ffc7541df359254d84862fe149)
といった読売新聞オンライン記事(2022/4/6付)を目にしました。

 2011年東日本大震災以降、全国で500棟近くの津波避難タワーが建設されましたが、階段を登るのは高齢者にとってはきついため、実際にお年寄りの命を救う手段になり得るか疑問があるとのことです。
 これに対してヤフーコメント欄には、「若者の命が助かるならタワー必要」、「高齢者は別の対策を考えるべき」、「弱者保護は道徳的観点から理解できるが・・・」などの意見がありました。

 「津波てんでんこ」は、三陸地方にある言い伝えで、地震が来たらてんでんばらばらでも、とにかく(津波から)逃げて自分の命は自分で守れ、といった意味とされています。
 若者と高齢者の避難を別々に考えている前述のヤフコメは、この津波てんでんこに通じるものがあると考えます。

 いつ・どこで・どの程度の地震が発生するのかをほぼ100%の確率で言い当てる、いわゆる地震予知は少なくとも現時点では不可能です。それでも地震予知研究が必要な理由として、「予知でなければ救えない命がある」といわれることがあります。
 津波到達前に避難タワーに登り終えない高齢者などの命は、確かに地震を予知して発生前に安全な場所に移動させれば助けることができます。

 しかし、地震予知研究が進んだとしても、次の南海トラフや首都圏直下などの大地震までに、100%確実な地震予知はできないでしょう。それでも、例えば「30%程度の確率で起きる」といった言い方ができるようになるかもしれません。
 ただし、こうした不確実な情報を実際の防災に活かすには、空振りや避難解除後に地震が発生する場合もあることなどについて、市民の理解と同意が必要になります。
 地震予知研究は理学的な真理探究に加え、それを実用化するための工学的要素、さらに社会学や心理学などの要素もからんできます。

2022年04月11日

人工地震や地震兵器を信じてしまう心理

 先週3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震(マグニチュード7.4)について、SNS上では「人工地震だ」という投稿があり、ツイッターでも一時トレンド入りしたとのことです。
 これに関して、NHKが専門家に聞いて人工地震を否定する記事を出しました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220317/k10013538631000.html)

 もしかしたらNHKが記事にするほど、近年では「人工地震」や「地震兵器」といったオカルト情報がSNSを賑わしているのかもしれません。

 この地震の後に「地震雲」に関するツイッターの書き込みを見ると、やはり急増していました。大きな地震の後に書き込みが急増する傾向はいつものことです。ここでは「地震雲はありません」と否定する書き込みも急増しており、オカルト論の火消しが行われます。
 今回のNHKの記事はおそらくSNS上の火消しに役立ったでしょう。

 しかし、ちょっと考えれば荒唐無稽だとわかるトンデモ説をなぜ信じてしまうのでしょうか。
 これについては、"人工地震を信じる人々が映す「陰謀論」深刻な浸透 「情報の民主化」は「偽情報の民主化」でもある" (https://toyokeizai.net/articles/-/540520)に書かれていることが参考になります。
 わたしたちにはあらゆる現象の背後に行為の主体を見つけようとする心性が備わっているとのことです。例えば、木の枝が折れていたり、物陰から音がしたりといった周囲の環境の変化に、敵や捕食者などの知的な行為者の存在を直観することで、それが勘違いであったとしても生存戦略として有効だったために強く機能しているというのです。
 これは人類が進化の過程で獲得した認知バイアス一つといえるでしょう。

 このような心理そのものを消し去ることはできません。しかし、そうした心理が人間には働くということを認識できれば、トンデモ説を安易に受け入れる防波堤になるかもしれません。

2022年03月22日

三陸大津波がそう遠くない将来に起こる可能性

 2011年3月11日、東日本大震災(死者・行方不明者:約1万8千人)
 1933年3月3日、昭和三陸地震(死者・行方不明者:約3千人)
 1896年6月15日、明治三陸地震(死者・行方不明者:約2万2千人)

 東日本大震災は地震による揺れも大きかった(最大震度7)ですが、昭和三陸地震と明治三陸地震は揺れは、最大震度5強程度だったと考えられています。この2つの地震は、揺れの割に津波が大きかった点が共通します。

 単純にこの3つの津波地震の発生間隔をみると、東日本大震災と昭和三陸地震は78年、昭和三陸地震と明治三陸地震は37年しかありません。三陸地方では100年にも満たない間隔で津波地震が発生しています。昭和三陸地震と明治三陸地震では40年を切っています。

 先日、"「慶長の大津波」東日本大震災規模だった 三陸沿岸北部-中部、東北大チーム調査"、2022/2/26(土) 6:00配信 河北新報
(https://news.yahoo.co.jp/articles/b12a94da5c70d06e460f2e73de87c0babcb0ae9a)の記事を目にしました。
 1611年の慶長奥州(三陸)津波が三陸沿岸北部-中部では東日本大震災の津波に匹敵する巨大津波だった、とのことです。
 東日本大震災発災直後は、貞観津波(869年)以来1000年に1度の巨大津波と言われました。その後、享徳にも大津波(1454年)があったのではないか、となり500年に1度と言われるようになりました。
 しかし、今回の調査結果は享徳津波の157年後にも三陸地方を巨大津波が襲っていたことを示しています。

 三陸地方を襲う巨大津波は周期的ではなく、昭和三陸と明治三陸の間隔が37年しかないことも考慮すると、次に三陸地方を襲う巨大津波はそう遠くない将来なのかもしれません。

2022年03月16日

『私が見た未来』完全版を見て

 2021年8月9日付のブログ「富士山噴火予言は煽り(あおり)記事か?」で、8月20日「富士山噴火説」を取り上げました。この予言の元ネタは漫画『私が見た未来』(たつき諒著, 朝日ソノラマ1999年刊・絶版)でした。
 昨年秋にこの本が完全版として復刊しました。これを読むと、煽り記事で当たったとされる予言以外に、ハズしている予言がいくつか紹介されていました。著者自身はどうも富士山噴火はハズした予知夢と考えているようです。したがって、昨年の8月20日富士山噴火説は、読者が勝手に想像を膨らましたものと考えるのが妥当でしょう。

 さて、この完全版を読んだ限りでは、予知夢がどの程度当たっているのかを評価できるだけの情報はありませんでした。一次資料といえる予知夢を書き込んだノートを見ないことには何ともいえません。
 また、この本にはこれから先の予言も書かれていました。それは、太平洋上で大地震か大噴火かが起こるといった予言です。詳しいことをここで書いてしまうと問題があるので、興味のある方は是非とも『私が見た未来』完全版をご覧ください。以下に、その予言を読んで私が感じたことを記します。

 1月15日にトンガ沖で海底火山の噴火がありました。その際にこの予言を思い浮かべました。ただし、時間も場所も規模も予言とは大きく異なるものでした。
 海底火山の噴火については、現在の科学でも「ここに海底火山がある」といった事実を示し、それが仮に大噴火を起こした場合の被害想定などは、ある程度できるでしょう。しかし、ハワイのようなホットスポットとよばれるものが、いつ・どこで新たにできるかまではわからないかもしれません。マントル全体(約2900km)の変動を扱うプルームテクトニクスについて、私自身もっと勉強すべきと感じています。

 予言は非科学的なものです。地震や火山噴火を予言することは、場合によったらニセ科学になります。また、それでお金儲けをしていたなら詐欺(サギ)科学になってしまいます。しかし、非科学的といわれる予言などのなかには、ごく稀にですが、科学的な検証をする価値があるものが含まれていると考えています。

2022年02月22日

巨大地震や破局噴火、不安をあおる記事

 ニュースで取り上げられるような地震や火山噴火があると、人は不安な気持ちになるものです。そうした不安な気持ちにつけ入るかのように、さらに恐ろしい将来を描く記事が必ず出てきます。
 それを注意喚起ととらえて、自らの防災状況を確かめる機会になるなら意味ある記事といえるでしょう。しかし、不安な心理につけ込んで、地震予測などの有料サイトをさりげなく紹介している記事には注意が必要です。

 さらなる大地震や大噴火の予測に関することを記事にしているなかに、有料予測サイトなどがさりげなく宣伝されている場合があります。記事を書いたマスコミと有料予測サイトとの直接的な関連はないようですが、「次に危ないところはここだ!」などとあおればその記事は注目され購買数が増えます。一方、記事内で紹介された有料予測サイトは有料会員の新規獲得につながります。このように、記事にするマスコミと有料予測サイトは WinWin の関係にあります。

 そもそも、いつ・どこで・どの程度の大きさの地震が発生するのかを、確度高く予測することは(少なくとも現時点では)できません。火山噴火については「どこで」はわかっていますが、それでも予測していないところから噴火(2018年1月23日の草津白根山の噴火)する場合もあります。
 こうした事実を理解していれば、「次に危ないところはここだ!」などと煽る記事がうさん臭いものだと気づきます。そして、そこで紹介されている有料予測サイトも当然うさん臭いものと理解できます。

 不安をあおる週刊誌やWeb記事には気をつけましょう。

2022年01月31日

トンガ沖の海底火山噴火から人知を考える

 1月17日といえば真っ先に1995年の阪神・淡路大震災を思い浮かべます。しかし、今日は15日に発生したトンガ沖の海底火山噴火とそれに伴う津波について触れてみたいと思います。

 火山噴火による津波といえば、日本では島原大変肥後迷惑といわれた1792年の山体崩壊による津波があります。これは、島原地方(今の長崎県)に位置する眉山が山体崩壊して、その土砂に一気に有明海に流れ込むことで生じたものです。しかし、日本にも押し寄せた今回の津波(人によっては潮位変化と言っています)は、海底火山の噴火によるものなので、これとは発生メカニズムが異なります。
 今回のようなメカニズム(現時点ではどのようなものなのか不明)による津波は、少なくとも近代的な観測以降はないといえます。気象庁も津波の予測が出しづらかったことと推測します。

 さて、ここで私が思ったことは、やはり人類は地球のことを知り尽くしてはいないということです。どの程度知っているのかも、はっきりと答えることはできないでしょう。
 "Save the Planet"(地球を救おう)など、まさに驕り高ぶった人類を象徴しているように思えてなりません。また、高レベル放射性廃棄物の処分について、10万年先のことまでわかっているかのようなことを言う人さえいます。
 人は地球によって生かされている存在です。地球がなければ誰も生きていくことはできません。一方、今この瞬間に全人類がいなくなったとしても地球は存在し続けます。人が地球を守っているのではなく、人は地球に守られているのです。そのことを認識しなければ、持続可能な社会の実現は難しいのではないかと考えています。

2022年01月17日

地震予知研究のあり方 (2)

 地震予知の前提には「地震は自らの大きさを(発生する前から)知っている」といった仮定があります。でなければ、地震予知の三要素のひとつ「どの程度の大きさ」を示すことはできません。先行現象の強度や、その現象がどの程度の範囲まで観測されたかで「どの程度の大きさ」の地震になるかを見積もろうといった考え方です。
 地震は震源付近の揺れが大きく、それが四方へ減衰しながら伝わっていきます。大きな地震ほど震源付近の揺れが大きく、遠くまで揺れが伝わっていきます。先行現象も同様に、震源付近ではその強さなどが大きく、震源から離れるほど弱くなるといった考え方です。こうした先行現象を観測することにより、「どこで」「どの程度の大きさ」の地震が発生するのかを言い当てることができる、といった仮説です。「いつ」については経験的に見積もるか、あるモデルから見積もるかになります。

 しかし、「地震は自らの大きさを(発生する前から)知っている」については、それを否定する研究結果があります。例えば、地震の揺れのはじまりを細かく観測してみても、小さな地震と大きな地震に違いがないといったことです。最初の破壊が大きいから大地震になるわけでないということです。
 もうひとつ、揺れ始めた場所(破壊が始まった場所)と最も大きく揺れた場所(最も大きく破壊された場所)とが一致しないといった観測結果です。地震がどこまで成長するのかは発生してみなければわからないということです。

 これに対しては、小さな破壊が次から次へと連鎖して大きな破壊、大地震に成長するためには、その場所が広範囲にわたっていつでも壊れる状態にある、と考えることができます。こうした広範囲にスタンバイな状態であるときに見られる特有の現象を見いだすことができれば、大地震の予知に一歩近つくことになるでしょう。
 しかし、それを見いだせていないのが、今の地震予知研究の現状です。

2022年01月04日

日本地震予知学会の学術講演会に参加

 12月25日(土)に日本地震予知学会の第8回学術講演会が、会場とリモートの合わせた方式で実施されました。
 私は「これからの地震予知研究に関する一考察」といったタイトルで発表しました。昨年はコロナの影響もあり、自分の研究を進めることがほとんどできませんでした。そこで、今回の発表では地震予知研究のあり方について、自らの過去の研究結果も踏まえて、今一度考え直してみました。
 理化学研究所在籍時、地震に先行する地電位差異常シグナルを見つけて予知ができるようになると期待をもって研究を進めていましたが、話はそう簡単ではありませんでした。確かにポジティブな結果もあります。例えば、伊豆諸島の神津島では地電位差異常と島近傍で発生した地震との関連性が示唆されました。ただし、マグニチュード3といった小さな地震も含まれたものでした。警戒宣言が出せるレベルの実用的な予知に使えるものではありませんでした。また、昔からの言い伝えとされていた地震前の深海魚出現については、むしろ両者の関連性を否定するような結果となりました。
 こうした実用的予知には役立たない結果、ネガティブな結果は研究者としては好ましくないものです。ですから、自説に都合のいい結果のみを見せて、あたかも予知できるかのように振る舞う人もいます。しかし、そのような行為はゆくゆくは自らの、そして予知研究のコミュニティ全体に悪影響を及ぼすことになります。一方、ネガティブな結果であっても、それを研究成果として示すことは、研究者だけでなく予知研究コミュニティ全体の信頼につながるものになるでしょう。

 地震前兆現象の候補を消す作業も大切なことである、とあらためて思った次第です。

2021年12月28日

地震予知研究のあり方 (1)

 「関東で地震」、「山梨で地震」、「和歌山で震度5弱」など、最近地震が多いと話題になることがあります。そして、週刊誌などでは「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」、「富士山噴火」で不安を煽る記事が次々とでてきます。しかし、警戒宣言を出せるような確度の高い地震の予測、つまり地震予知はできないのが現実です。ですから、私たちはいつ起きでもおかしくないといった心構えと準備が必要になります。

 さて、科学的な予知ができないのになぜ研究を続けるのでしょうか。
 1880年に世界初の地震学会を日本に創始したジョン・ミルンは「地震学が研究されるようになって以来、その学徒の主要な目的の1つは、地震の到来を予言 (foretell) する何らかの方法を発見することである」と述べ、地震予知の研究が地震学の重要な課題であることを説いています(泊, 2013)。日本では地震学の草創期から地震予知を目指していたということです。

 しかし、いつ・どこで・どの程度の大きさの地震が起きるのかを事前に100%の確率で言い当てること(地震予知)ができないなら、予知研究はどこに向かっているのでしょうか。
 ひとつは、いつ・どこで・どの程度の大きさといった地震予知の三要素について、確率で示すといったことです。
 ある現象が観測された場合、いつ・どこで・どの程度の大きさの地震が発生するのかを、可能性として確率(パーセンテージや割合)で示します。この確率が偶然起こるよりも高い場合は、地震に先行して観測される"ある現象"が前兆現象である可能性が示唆されることになります。そして、地震に先行する現象と地震との間の物理的因果関係を示すことが最終目的になります。ただし、そこまでいかなくとも、相関関係が示されれば実用的な予知手法になる可能性はあります。現在進められている地震予知研究の多くはこれでしょう。
 もうひとつは、動物異常行動で見られる研究手法になります。動物がどのような外からの刺激に反応して異常行動を示すのかを実験などから明らかにしようとするものです。ただし、この場合は外的刺激(においや音、電磁気など)が地震の前兆現象であることを示さなくてはなりません。そうなると、ひとつめの手法により、少なくとも相関関係のある外的刺激となる現象を見出す必要があります。

 となると、まずは前兆現象といえる地震に先行する現象を見つけることが地震予知研究の本筋といえそうです。実は、これは上田(2001)が唱えていたことになります。

2021年12月20日

御坊市で震度5弱、市庁舎の耐震化は?

 12月3日午前9時半ごろ、紀伊水道を震源地とするマグニチュード5.4の地震が発生しました。震源に近い和歌山県御坊市では震度5弱を観測し、市庁舎の窓ガラスが割れるなどの被害がありました。
 御坊市庁舎は、2010年の耐震調査で震度6以上の地震で倒壊する恐れがあると診断されました。現在、新市庁舎を今の市役所のすぐ隣にある土地に建設中とのことです。

 市役所や町村役場は地震などによる災害が発生すると、通常はその対策本部が置かれる場所になります。災害時、市役所や町村役場は住民への対応窓口になるため、非常に重要な役割を担うことになります。しかし、その庁舎が被害にあい、災害対応に支障をきたした事例は過去にもありました。
 ところが、こうした市町村の庁舎耐震化や建て替えなどが後回しになってしまっていたケースを私も直接目にしたことがあります。
 東日本大震災以前のことです。ある東北地方の市へ視察に行った際、市庁舎が非常に古かったので、耐震化のことを質問しました。すると「市民からは市役所より先にやることがあるだろう、と言われる」といった返答をいただきました。

 市町村の庁舎があまりに立派すぎるのも問題がありますが、災害時のことを考えると、耐震化や建て替えを優先することも必要かと思います。庁舎が洪水や津波の浸水域内にある場合は、より安全な場所への移動も可能ならば考えるべきでしょう。
 住民感情を汲み取りつつも、必要な耐震化や建て替えなどは優先されるべきであり、そのことを住民に理解してもらう努力が地方行政には求められます。

2021年12月06日

観測網設置が早ければ北伊豆地震は予知できたのか?

 先日、興味深い記事が Yahoo News にありました。
「地震予知に初めて成功しそうだった91年前の北伊豆地震」饒村曜気象予報士 11/26(金) 4:04
(https://news.yahoo.co.jp/byline/nyomurayo/20211126-00266497)

 1930年11月26日伊豆半島北部の丹那盆地でマグニチュード7.3の北伊豆地震が発生しました。死者・行方不明者は全国で272名にもなりました。この地震はまた、丹那断層が動いたことで当時建設中だった丹那トンネルが直線でつながらなくなってしまったことでも知られています。
 この地震では前震が顕著でした。気象台は十数日続く群発地震の様子を見て危険性があると判断しました。そこで、震源地を囲む韮山、三島、湯河原、網代の4か所に臨時の観測網を設置することを決め、26日朝に観測機を持っていく準備をしていました。しかし、地震はその直前26日午前4時3分ごろに発生しました。

 この Yahoo News 記事では「口惜しがる気象台 大地震を予知して準備中にこの災厄」(昭和5年(1930年)11月27日の東京朝日新聞)といったタイトルの、当時の新聞記事が紹介されています。
 果たして、臨時の観測が開始されていたなら、北伊豆地震は予知できたのでしょうか?
 地震予知とは、いつ・どこで・どの程度の大きさの地震が起きるのかを、予め確実に言い当てることです。
 「どこで」については、群発地震があった北伊豆地方ということで当てられたでしょう。
 「どの程度」については、確実なマグニチュードまでは示していませんが「大地震」と言っています。
 「いつ」についてはどうでしょうか?結論からいえば、言い当てられなかったことになります。十日以上続いていた地震活動で、臨時観測開始直前に地震が発生してしまったわけですから、「いつ」は当てられなかったことになります。
 では、臨時観測を行っていれば予知は可能だったのでしょうか?
 臨時観測が数日早かった場合を仮定してみます。警戒情報などが発表されていたなら、数日後地震があったので「予知成功」といわれたかもしれません。一方、そうした発表がなかったなら「失敗」といわれたでしょう。

 今日でも、前震は本震発生後に「前震だった」といわれるレベルです。しかし、小さな地震を大きな本震を伴う前震なのか、それとも小さな地震で終わってしまう地震なのかを区別する研究が進められ、興味深い結果を紹介した論文もあります。
 2011年東北地方太平洋沖地震では、2日前にマグニチュード7.3の地震がありました。2016年熊本地震では震度7の直下型地震が立て続けに発生しました。このような地震に対して将来、「これは本震ではない可能性がある」といえるようになれば、それだけでも(予知はできませんが)災害軽減につながる情報になるかもしれません。

2021年11月29日

ヤフーコメントから探る民間の地震予測を信じる理由、のタイトルで発表

 先週の土曜日(10月16日)、日本地震学会秋季大会の地震教育・地震学史のセッションで「ヤフーコメントから探る民間の地震予測を信じる理由」と題した口頭発表を行いました。今年もリモート開催の大会でした。

 本発表は、週刊ポストが年に数回記事にする「MEGA地震予測」に関するものです。MEGA地震予測とは、村井俊治氏が取締役会長を務める株式会社地震科学探査機構(JESEA)が配信する地震予測情報のことです。

 MEGA地震予測は、「ノイズをシグナルとしている」、「ハズした予測を後から当たりにしている」、「日本中が年中警告エリアになっている」などの批判が絶えないにも関わらず、有料会員は5万人ともいわれています。なぜ、これほど多くの人たちがそうした情報を購入するのか?別の言い方をすれば、どのような理由で信じているのか?その理由を知りたいと常々思っていました。


 今年の4月26日に、NEWSポストセブンからMEGA地震予測の記事が配信され、Yahoo!ニュースでも取り上げられました。Yahoo!ニュースには読者が投稿できる「コメント欄」があります。今回の研究では、このコメントをデータとして扱い、MEGA地震予測に対して、どのような理由から好意的もしくは批判的なのかを探ってみました。そして、その結果を先週の学会で発表しました。

 MEGA地震予測に好意的な理由は、「予測内容を信用」しているものが割合として最も多く、次いで「注意喚起の情報として容認」でした。この2つで8割以上を占めました。一方、批判的な理由は、予測エリアが広すぎる等から「当たって当然」とするものが約7割で最も多くなりました。次に、ハズした予測を後で当たったことにしている、当たった事例だけをアピールしている、など「予測成功を装うことへの批判」が1割強でした。
 好意的な理由として最も多かった「予測内容を信用」については、一見科学的にみえる手法の問題点を理解したり、絶対に当たる占いと同じ手法を用いていることなどに気づいたりすれば、現時点で抱いている信用が揺らぐかもしれません。しかし、「注意喚起の情報として容認」している人たちの中には、ハズレてもOK、と半ば信者的な人もいます。こうした人たちが自らの考えを変えるのは難しいかもしれません。


 MEGA地震予測については、以前、拙著『地震前兆現象を科学する』(2015年)のなかでも、過去情報(データ)を公開すべきだ、と主張しました。有料会員は将来のことが知りたくてお金を出しているわけですから、過ぎてしまった情報に価値はありません。したがって、過去の配信情報をそのまま公開しても問題はないはずです。しかし、いまだに過去のデータは公開されていません。これでは当事者や週刊誌などが宣伝するように、本当に予測が当たっているのかどうかを第三者が検証ができません。もしかしたら、過去の予測情報を公開すると、有料会員が減ってしまうことを恐れているのではないか?と勘ぐってしまいます。

2021年10月18日

千葉の地震、揺れの前に魚が・・・

 10月7日22時41分頃、千葉県北西部を震源とするマグニチュード(M) 5.9 (深さ 75km)の地震が発生しました。埼玉県川口市と宮代町、東京都足立区で震度5強を記録しました。
 そして、翌8日に国土交通省の荒川下流河川事務所がツイッターで地震発生時の映像を公開しました。江戸川区小松川の平成橋で撮られた映像には、魚や鳥が地震に反応している様子が記録されています。
https://twitter.com/mlit_arakawa_ka/status/1446343533342838786?ref_src
=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Etweet
https://www.huffingtonpost.jp/entry
/story_jp_6160f87de4b024dc52810fbc?utm_hp_ref=yahoo

 地震の揺れが来る10秒くらい前に川の魚が一斉に飛び跳ねていました。

 下の図は地震の初期微動(P波)及び主要動(S波)と震源からの距離の関係を表しています。一般的に P波は 5~7 km/s, S波は 3~5 km/s です。この図では P波 7 km/s, S波 4 km/s としています。


 魚が飛び跳ねたのは大きな揺れ(S波)が到達する約10秒前でした。また、震源が東京都江戸川区に近い千葉県北西部で、震源の深さが 75km だったことから、魚が飛び跳ねた平成橋付近から震源までの距離は 80~100 km 程度だったと考えられます。
 上の図から P波と S波の時間差が 10秒程になるのは、震源からの距離が 90km ぐらいのときです。このことを考慮すると、この魚の飛び跳ねは P波到達によるものと考えるのが妥当でしょう。魚がびっくりしたぐらいですから、この地震の P波はそれなりに大きかったのだと思います。

 そういえば、2018年大阪府北部地震の際に、和歌山県の猫カフェでも、揺れ(S波)到達前に猫が騒ぎ出した映像があった記憶があります。これもP波を猫が感知したものと考えられます。
 こうした動物の異常行動は、地震を事前に察知したかのように見えますが、そうではなく、初期微動(P波)に反応したものと考えるべきでしょう。

2021年10月11日

首都直下の想定地震が見直される可能性

 2013年に内閣府中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループがまとめた資料、"【別添資料4】首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)" によりますと、首都直下のM7クラスの地震を防災対策の主眼を置く、とされています。

 一方、相模トラフ沿いのM8クラスの地震 【大正関東地震タイプの地震(Mw8.2)】は、当面発生する可能性は低い(2120〜2320年頃?)ので、長期的視野に立った対策の実施、としています。また、大正関東地震よりも、さらに規模が大きい元禄関東地震(1703年、M8.5)規模のものは、2000〜3000年程度の間隔で発生すると考えられるため、さらに切迫性は薄れます。

図1 南関東で発生した地震(1600年以降、M>6.0以上)
中央防災会議, 2013, 【別添資料4】首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告) より


 これに加えて、M8クラスの海溝型地震として、大正関東地震で破壊されなかった元禄関東地震の震源域として、房総半島の南東沖、日本海溝の1677 年延宝房総沖地震も想定にあります。これらも当面発生する可能性は低いと考えられています。

図2 M8クラスの海溝型地震
中央防災会議, 2013, 【別添資料4】首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告) より

 ところが、先月 "1000年前「未知の巨大地震」が発生か、九十九里浜に大津波の跡" といった9月25日付のニュースがありました。
(https://www.yomiuri.co.jp/science/20210925-OYT1T50201/)

 産業技術総合研究所などのチームによりますと、千葉県の房総半島沖で1000年ほど前に未知の巨大地震があり、九十九里浜一帯が大津波に襲われた可能性があるとのことです。地震の規模はマグニチュード (M) 8.5〜8.8 と、かなり大きなものです。
 平安~鎌倉時代にこのような巨大地震と津波があったとの記録がないため、首都直下地震対策検討ワーキンググループでも当然ながら、このことは考慮されていません。したがって、M8クラスの巨大地震発生の可能性が、今後これまでよりも高く見積もられる可能性が出てきました。

 今回の産業技術総合研究所らの研究チームによる発見は、首都圏の防災を考える上で非常に重要な報告です。

2021年10月04日

大地震の事前注意の呼びかけ (2)

 南海トラフに加えて、千島海溝と日本海溝についても、巨大地震の事前注意呼びかけの検討を国が始めたことを「大地震の事前注意の呼びかけ (1)」で紹介しました。

 国は警戒宣言を出せるほど確実な地震予測(つまり地震予知)はできない、としています。しかし、本当に発生するかしないかわからないけど、観測データに異常が見られた場合には、事前に注意情報を出すとしています。
 地震発生の事前注意情報を出すといったことを、南海トラフ以外にも広げると言うのであれば、国にはそうした情報を出せる機関(または個人)を限定する法律も制定すべきではないかと思っています。

 気象に関しては、気象予報士以外が予報してはいけないと平成6年度の気象業務法の改正によって定められています。しかし、地震動と火山現象及び津波については、そのような制度がありません。こうした現状に対して、尾池他 (2018)※ は地震火山予報士の制度化を提唱しています。
 現在、民間企業や個人などが、地震予測(予知)情報を有料で配信しています。また、一部メディアが定期的にそれらを宣伝していることもあり、ある民間企業では有料会員が5万人とも言われています。

・地震の起きる地域には偏りがある。→日本は地震がたくさん起きる場所
・大きな地震は滅多発生しないが、小さな地震はたくさん発生している。→小さい地震は桁違いに数が多い
など、地震に関する少しの知識と、統計に関する少しの知識、さらに人の心理に関する少しの知識があれば、こうした地震予測の有料情報が、単なるゴミでしかないことを見抜くことができます。

 しかし、何万人ものひとがお金を出してゴミを買っているといった現状を考えると、これ以上騙される人をなくすためにも、国として、気象予報士のような制度を地震等についても設けてほしいと思ってしまいます。

※)尾池和夫・金田義行・北川源四郎・鳥海光弘・樋口知之(2018): 特集 地震予測の新しい考え方[座談会]地震予測と「第4の科学」データに駆動された新たなアプローチへ(後編), 科学, 8(86), 0563-0569.

2021年09月13日

大地震の事前注意の呼びかけ (1)

 去る8月19日、国が千島海溝と日本海溝の巨大地震について事前注意呼びかけの検討を始める、との報道がありました。
(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210819/k10013211111000.html)

 異常な現象が観測された場合、住民などに注意を呼びかける仕組みとしては、「南海トラフ地震臨時情報」というものがあります。
 2017年、国の内閣府中央防災会議は「警戒宣言を前提とする確度の高い予測はできない」と、それまで唯一予知が可能とされていた東海地震に関しても「予知」の旗を降ろしました。そして、気象庁は同年11月から強制力を伴った東海地震の「警戒宣言」をやめて、「南海トラフ地震に関連する情報(定例と臨時)」を発表するようになりました。これにより、対象範囲は静岡県中心から南海トラフ全域に拡大した一方、強制力のない情報となりました。そして、令和元(2019)年5月31日から「南海トラフ地震に関連する情報(定例と臨時)」に替わって、「南海トラフ地震臨時情報」及び「南海トラフ地震関連解説情報」の情報発表を行うようになりました。

 「事前注意の呼びかけができるということは、やっぱり地震は予知できるの?」と思ってしまう人がいるかもしれません。予知とは、ほぼ100%の確率で、いつ・どこで・どの程度の大きさの地震が発生するかを言い当てることと考えればいいでしょう。こうした地震予知は、今の科学では不可能とされています。そして、国が既に実施している「南海トラフ地震臨時情報」や、今回の「千島海溝・日本海溝の巨大地震についての事前注意呼びかけ」は、100%ではないが従前よりは地震が発生する可能性が高くなったと考えられる段階で情報を発信するといったものです。ただし、予知ではないので、本当に発生するかどうかはわかりません。

 地震の揺れが収まる前に津波が到達してしまう地域に住む人々の命は、事前避難ができれば救うことができます。しかし、その避難が空振りに終わってしまう可能性もあります。また、避難してからしばらくたっても地震が起きず、家に戻ったら地震が発生した、といったシナリオも考えられます。こうした不確実性の高い情報を防災に活かすには、情報を発信する側(行政)と住民との信頼関係や、事前注意の情報などに関する住民の正しい理解が不可欠です。

 "「地震予知」の幻想―地震学者たちが語る反省と限界" の著者である黒沢大陸氏は、起きるかも知れないという不確かな(生煮えの)情報を提示し、役立たせる方法を考えようといった発想は、研究を役立たせることを優先させる研究者の論理、と言っています。そして、被害を減らすために何をやるべきか、住民視点での減災策から出発すべき、と主張しています。

 国には、こうした批判的な意見にも真摯に向き合い、不確実な情報の防災への活かし方を議論してもらいたいものです。

2021年08月30日

8月20日、富士山は噴火ぜず

 7月19日のブログで「8月20日、富士山噴火説」を取り上げました。8月20日に富士山は噴火しませんでした。
 この話題を取り上げた最近の記事を検索すると以下が見つかりました。

 "ネットで騒然「8月20日富士山噴火説」の真偽、火山学の専門家はこう見る" 8/17(火) 8:54配信 週刊SPA!
 (https://news.yahoo.co.jp/articles/96c272e3bafb2f3b8fe7d415bf37d9a7d2edabba)
 "「8月20日富士山噴火説」に備える人々。独自の対策マニュアル作成も家族の反応は" 8/17(火) 15:54配信 週刊SPA!
 (https://news.yahoo.co.jp/articles/c5fa406ca088070462ea654cf4013323ac5f3c0b)
 " “予言的中率9割!”の漫画が示す「8月20日富士山大噴火」の信憑性" 8月19日(木)18時0分 アサ芸Biz
 (https://news.biglobe.ne.jp/trend/0819/abz_210819_8718592424.html)

 もし、将来に起こる災いを事前に知ることができたなら、それから逃げるなり備えるなりして、生き延びようとするのは人間の本能的な行動なのかもしれません。ですから、こうした予言やそれを取り上げる煽り記事は、今後もなくなることはないでしょう。

 上記2番目の記事タイトルにあるように、今回の予言ではそれが成就した場合に備えた人がいたようです。実は、こうした備えの行動をとる人は、地震発生のうわさが世間に広まる地震流言(りゅうげん)とよばれる事象を調べると、必ずいたことがわかっています。

 2008年6月に山形で大地震が発生するといったうわさが中高生を中心に県内全域に広まりました。うわさの地震が発生した場合の備えの行動は、個人のみならず一部の学校や行政機関にも及んでいました。

 同じ2008年には、愛知県岡崎市を中心とした地域でも大地震発生のうわさが広まりました。軟弱な地盤の上に住んでいた住民のなかには、地震発生とされた日の前から市内のホテルに泊まった人がいました。また、市内のホームセンターでは、防災グッズが品薄になったとのことです。

 地震や火山噴火などの災害予言に対し、それを「注意喚起」として肯定的に受けとめる人がいます。なかには、そうした情報をお金を払って買っている人さえいます。たとえ月額200円や300円であっても、「大した金額じゃないから」と考える人が何万人もいたなら、騙す側にとっては実においしい商売になります。

 こうした有料情報を、半年間でもいいですからしっかりと記録に残して、それを後から見直してみることをお勧めします。すると、ほとんどいつも「危ない」と言っていたことに気づくと思います。災害はいつ起きるかわからないから常に備えておくように、といった注意喚起と何ら変わらないことを、もっともらしく言っていたに過ぎません。お金を払ってまでして得る必要のない情報だったことに気づくのではないかと思います。

2021年08月23日

日本各地が揺れていた安政年間

 前回(8月9日)のブログでは、安政年間に発生した南海トラフと首都直下地震が、現代に発生した場合の資産被害想定の話をしました。
 実は、安政年間の1854年〜1858年は、日本各地で大きな地震があったと記録されています。宇津徳治「地震活動総説」によれば、以下の地震がありました。
 1854年7月9日 マグニチュード (M) 7.3 伊賀上野地震, 死1,600人
 1854年8月28日 M6.5 八戸・三戸
 1854年12月23日 M8.4 安政東海地震, 死2000人
 1854年12月24日 M8.4 安政南海地震, 死1000s人
 1854年12月26日 M7.4 伊予西部・豊後
 1855年3月18日 M6.8 飛騨, 死12人
 1855年9月13日 M7.3 陸前
 1855年11月7日 M7.3 尾張・遠江(余震?), 死some
 1855年11月11日 M6.9 安政江戸地震, 死7,444人
 1856年8月23日 M7.5 三陸地方・松前, 死37人
 1856年11月4日 M6.3 江戸・立川・所沢,
 1857年7月14日 M6.3 駿河, 死8人
 1857年10月12日 M7.3 伊予・安芸, 死some
 1858年4月9日 M7.1 飛騨・越中・加賀[飛越地震], 死430人
 1858年7月8日 M7.3 青森・八戸
 1859年1月5日 M6.2 石見
 1859年10月4日 M6.3 石見(周布)
 さらに、1856年8月25日「安政3年の台風」で江戸は猛烈な暴風と高潮により、死者10万人ともいわれています。

 これら安政年間の1854年〜1858年(4年間)のことをまとめると、以下のようになります。
 ・M7クラス以上の地震は12回
 ・南海トラフ巨大地震の11ヶ月後に江戸直下地震
 ・江戸直下地震の8ヶ月後に三陸沖で大地震
 ・江戸直下地震の9ヶ月後に江戸に台風直撃
 これを現代に置き換えると、
 ・南海トラフ巨大地震の11ヶ月後に首都直下地震、その9ヶ月後に三陸で大地震、そして、その2日後には東京で風水害ということになります。それ以外にも南海トラフ巨大地震から安政3年の台風(東京で風水害)までの1年8ヶ月の間に、愛媛・大分でM7.4、岐阜飛騨でM6.8、宮城でM7.3、首都直下地震の4日前には愛知・静岡でM7.3 と、顕著な地震が多発したことになります。

 今現在、九州から関東にかけての太平洋側を中心に大雨による災害が各地で発生しています。そして、大雨が降りやすい状況は今週も続くとの予報で、さらなる被害が懸念されます。大雨災害に地震など他の災害が重なるといった、複数の災害が同時に発生する複合災害への対策も真剣に考えなくてはなりません。

2021年08月16日

安政年間の連続大地震が今起こったら・・・

 「日本を襲った過去の大地震 首都直下と南海トラフが連動したケースも」
 https://news.yahoo.co.jp/articles/6c64eb112cfc2a712c788cc48d0a5530d7bfe0b3
といったネットニュースがありました(8月6日配信)。

 1854年12月23日に安政東海地震 (M8.4) 、翌24日には安政南海地震 (M8.4) が発生しました。南海トラフの東側が最初に動き、その約32時間後に西側が動いた巨大地震でした。そして、翌年の1855年11月11日に安政江戸地震 (M6.9) 安政江戸地震が発生しました。宇津徳治「地震活動総説」によれば、死者は 7,444人 とあります。

 安政年間のように、次の南海トラフの巨大地震と首都直下地震とが立て続けに起こるかどうかはわかりません。仮に発生したとしたなら、それは国難というか国家存亡の危機になるかもしれません。

 土木学会が推計した向こう20年間の南海トラフ巨大地震と首都直下地震の資産被害は、
 ・南海トラフ巨大地震:1410兆円
 ・首都直下地震:778兆円
になります。ちなみに2018年度(新型コロナ禍前)の国の一般会計予算は97兆7128億円です。
単純に1年で換算すると
 ・南海トラフ巨大地震:70.5兆円(国の一般会計予算1年分の7割強)
 ・首都直下地震:38.9兆円(国の一般会計予算1年分の4割)
となります。この数字だけ見ても、国家存亡の危機といっても過言ではありません。

 次に来る南海トラフと首都直下の連動は仮定の話ではありますが、過去に実際あったことなので全くの空論ではありません。

 「仮定のことは考えない」菅義偉首相のもとで本当にそのようなことが起きたなら、国民にとって最悪の結果が待っていることだけは容易に想像できます。

2021年08月09日

富士山噴火予言は煽り(あおり)記事か?

 "8月20日「富士山噴火説」。的中率9割の予言書が明示する恐怖に抗う術は"
 https://nikkan-spa.jp/1767198?cx_clicks_art_mdl=3_title
といったWeb記事を目にしました。今年の8月20日に富士山が噴火するとの予言です。

 地震予言にも当てはまることですが、このような記事の「的中率9割」と、ライターが自信を持って提示できる理由がわかりません。ある地震予言では予言を出している本人の言葉として、それを紹介していました。当事者の言や他の記事に書いてあったことについて、裏取りもせずにセンセーショナルな語句を使った記事は、典型的な煽り記事(不安を煽る記事)と考えた方がよいでしょう。

 さて、8月20日「富士山噴火説」についてお話ししましょう。この予言は漫画『私が見た未来』(たつき諒著, 朝日ソノラマ1999年刊・絶版)に書かれた著者自身が過去に見た予知夢を再現した話のようです。当たったとされる具体例がこのWeb記事にも紹介されています。ちなみに、煽り記事は通常、当たったとされる事例のみを示すものです。

 この記事では的中率9割と主張していますが、そもそも的中率って何でしょう?的中率とは、矢や弾丸が的に当たる割合から、予測や予想などが当たる割合のことを指します。この漫画では的中率9割とのことですから、10の予知夢のうち9が当たったことになります。しかし、この記事にはそれを調べた(裏を取った)形跡がありません。そもそもこの漫画はすでに絶版で、Amazon では17万円以上の値がついていました(下の画面キャプチャー参照)。そのような手に入りにくい本を苦労して入手して裏を取ることなど、おそらくしていないのでしょう。(ちなみに今年10月に完全版として復刊するようです。)

 

https://www.amazon.co.jp/私が見た未来-ほんとにあった怖い話コミックス-たつき-諒/dp/4257986999 より(画面キャプチャー)

 

 『私が見た未来』が出版されたのは1999年です。しかし、この記事で的中例として紹介されているフレディ・マーキュリーとダイアナ妃の死は、それぞれ1991年と1997年です。いずれも出版前の出来事です。後になって実は予知していたと主張することは、後予知(あとよち)などといわれています。作者が本当に夢をみた可能性は否定できないので、これが後予知だったとはいいませんが、少なくとも疑われる成功事例ではあります。

 しかも、フレディ・マーキュリー死亡の予知夢は実際の死の15年前、ダイアナ妃の場合は5年前に見た夢とのことです。人は必ず死ぬわけですから、これは(誰でもできる)必ず当たる予言のようにも思えます。

 一方、東日本大震災は2011年なので後予知ではありません。これは本の表紙にある夢日記に「大災害は2011年3月」と書かれているものに相当するようです。ただし、フレディ・マーキュリーやダイアナ妃の死、富士山噴火は日まで指定していますが、この予知夢は日の指定がありません。そうした違いがなぜあるのか気になります。

 1999年以降の予知夢とされるものがいくつあり、どのような書かれ方をされているのか、大変興味があります。また、大災害といえば、例えば2004年のスマトラ沖地震の被害者は死者22万人ともいわれています。マグニチュードも東北地方太平洋沖地震より大きいです。こちらの予知夢はなかったのか?についても知りたいところです。

 

 予言や予測が本当に当たっているのかどうかを検証する場合、予言や予測がどれだけ出されていたかだけでなく、その予言や予測の対象となる事例がどれだけあるのか、についても注意を払わなければなりません。例えばフレディ・マーキュリーやダイアナ妃のことなら、世界中の著名人が対象になる可能性があります。その場合、対象はものすごい数になります。ただ、この予知夢は死亡する月日を当てているとされています。しかし、それは後予知なら細工が可能なので、そのような疑いを払拭する意味からも、出版された1999年以降の予知夢で検証すべきです。

 「大災害は2011年3月」については、大災害の条件を定めてそれに相当する事例が対象となる期間(この場合、2011年3月を最終月として1999年出版の月からとする)にどれだけあったかを調べる必要があります。

 

 予知・予測に関する記事を読む際は、記事を書いたライターは、何を根拠にそのようなことを述べているのか?を考えてみるといいでしょう。そうした視点でこの記事を眺めると、予知夢についてライターが実際に『私が見た未来』を読んで確認した形跡が見当たりません。「的中率9割」は自分が本を読んで確かめたわけではないようだ、別の言い方をすれば、このライターは裏を取るといった記事を書く際に重要な作業をやっていないようだ、ということがわかります。

 さらに言葉の使い方もおかしいです。記事には ”「大災害は2011年3月」の文字。東日本大震災をピンポイントで予知し、” とあります。しかし、日にちまで指定していませんし、場所も指定していません。当たったとされるダイアナ妃の死などは、対象となる個人が指定され、月日も指定されています(ただし、年の指定はありません)。こうした事例と比較すると、記事内の「ピンポイント」は時間的にも場所的にも、言葉の使い方が正しいとはいえません。

 実は、年に数回雑誌等に登場する地震予測の煽り記事では、しばしば「ピンポイント」という言葉が出てきます。しかし、その大半は実際にはピンポイントではありません。この点も、煽り記事かどうかを判断するひとつの材料になるかもしれません。

2021年07月19日

「メガマウス」が千葉・館山港の海面に出現

 メガマウスが千葉県・館山港の海面に6月15日頃から複数回出現しているとのことです。https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000219800.htm

 深海に生息するメガマウスが連日海面に姿を現したことについて、メガマウスは夜にプランクトンを求めて浅瀬に移動する習性があるとのことです。しかし、今回は日中に姿を現しています。このことについて映像をみた専門家は、傷が多く弱っている可能性を指摘していました。

 しかし、一部の人たちはメガマウス出現を地震の前兆と考えているようです。

 この件については、以前大学の講義で情報リテラシーの問題として取り上げたことがあります。メガマウス出現と、その後に発生した地震を列挙したWebサイトの情報から何が読み取れるか?といった問いです。例えば、このWebサイトでは、マグニチュード4の小さい地震を関連づけたり、三重県のメガマウス出現を、遠く離れた東北地方太平洋沖地震や熊本地震と関連づけたりしていました。また、メガマウス出現から地震発生までの間隔も1日後から約2ヶ月後までと、かなりの幅をもたせています。

 日本周辺でマグニチュード4以上の地震は、年間で900個程度(1日に2個以上)発生しています(2001〜2010の気象庁データより)。また、遠くの地震と関連づけていることについては、もっと震源に近い場所で過去にメガマウスの出現があったにも関わらず、なぜこのときは出現していないのか?といった疑問が生じます。小さな地震だけでなく、場所的にも時間的にも遠く離れたものまでOKにすれば、対象の地震はかなり増えます。

 このWebサイトのような関連づけのやり方は、単に対象となる地震を探してきたに過ぎません。

 さらに忘れていけないことは、小さな地震も遠く離れた地震も対象とするなら、関連づけされた「当たり」の地震の裏には、その何十倍、何百倍もの「はずれ」の地震があるということです。 

 私たち人間は、一般的に予言や予測などについて「当たり」のみに注目を向けてしまう傾向があります。占いや予言を信じてしまう心理です。しかし、それが本当に役に立つ情報なのか?といった視点で考えれば、たいていの予言や予測の「当たり」の裏には、その何倍もの「はずれ」があることに気づくでしょう。

2021年06月19日

2008年5月12日に四川大地震

 2008年の今日、中国内陸部の四川省でマグニチュード7.9の地震が発生しました。国連の国際防災戦略(ISDR)によれば、死者は8万人以上といわれています。

 この地震は、1000万年以上活動していなかったとされる龍門山断層(Longmenshan Fault)が動いたものです。これだけ長期間活動の痕跡がなかった断層ですから、次の活動を予測する長期予測も難しかったと考えられます。

 では、地震発生直前の前兆現象はどうだったのでしょうか。この地震の震央から約75km離れた四川大学(Sichuan University)のある研究室で、動物の自発運動と体内時計の研究のため、同時に8匹のマウスが飼育されていました。そして、この8匹のマウスのうち6匹で地震の3日前から自発運動と体内時計の両方で異常が見られました。(Li et al., 2009, Behavioral Change Related to Wenchuan Devastating Earthquake in Mice, Bioelectromagnetics)

 地震3日前から見られたこのマウスの異常行動は、地震予知研究と無関係な研究で得られたデータです。したがって、地震前兆を見つけようとするバイアス(偏見)がかかっていないものと考えられます。その意味において、信頼性の高いデータではないかと考えています。

2021年05月12日

民間の地震予測の結果は?

 前回取り上げた地震予測の記事では、日本の約3分の2を占める面積を5つのエリアに分けて警戒ゾーンとしていました。そのうちの1つ東北警戒ゾーンで最大震度5強の地震(M6.8)が5月1日に発生しました。

 この地震をもって「予測的中!」とこの予測情報を好意的に捉えているネット上の書き込みがありました。では、外れた予測はなかったのでしょうか?5つのゾーンのうちの1つでは確かに当該の地震がありましたが、残り4つのゾーンではありませんでした。また、地震があった東北地方はもともと地震が多く、今年に入ってやや大きな地震が続いていました。
 2月13日には福島県沖(M7.3,最大震度6強)
 3月20日には宮城県沖(M6.9,最大震度5強)
このような事実を考慮するなら、この的中は偶然だった可能性も考えられます。

 それよりも注目していただきたい点は、外れた予測がどれだけあったか?です。今回の予測では5つのゾーンのうち4つは外れです。また、この予測では危険度を5段階で示しており、危険度1位と2位では地震はなく、危険度3位のゾーンでのみ地震がありました。

 この予測的中が偶然レベルなのかどうかは精査する必要があります。ただ問題なのは、この予測情報会社がデータを開示していないことです。以前、拙著のなかで「お金を出して買っている人たちが求めているのは将来の情報についてであり、過去の情報は価値がないのだから公開できる」旨を述べました。事実、過去の予測情報を一部開示している予測会社もあります。本当に地震予測を人命救助のために役立てたいと考えているなら、是非とも科学的な検証が可能な過去の情報を開示していただきたいものです。

2021年05月10日

民間の地震予測を雑誌が紹介

 ゴールデンウィーク中の要警戒エリアが示されていました。
(https://www.news-postseven.com/archives/20210426_1654811.html?DETAIL)
東海地方~九州北部と沖縄地方をのぞく日本が要警戒エリアといったものです。日本の3分の2ぐらいに相当します。これだけ広いと、仮に当たったとしても不思議ではないかもしれません。

 こうした一見科学的に見えて、実は科学的ではない情報により世間を煽る傾向が一部のマスコミにはあるようです。非常に残念ではありますが、そうした記事を載せると売れるから載せるのでしょう。こうしたものは、タダで見ることができるWeb記事にとどめておき、雑誌やWeb有料記事を買わないようにすることが大切です。

2021年04月27日

政府が震度6弱以上の予測地図を更新

3月26日、政府の地震調査委員会は2020年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した「地震動予測地図」を公開しました。
https://www.jishin.go.jp/main/chousa/20_yosokuchizu/yosokuchizu2020_mm.pdf

「全国地震動予測地図2020年版のポイント」より引用


この地図で黄色いエリアは、今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率が相対的に低い地域になります。しかし、あくまで確率ですから確率の高い赤いエリアで発生せずに黄色いエリアで発生することもあり得ます。黄色いエリアだからといって決して安全ではありません。日本はどこに住んでいても大きな地震に見舞われる可能性があります。

2021年03月27日