地震発生直前に震源が特定できるかも
12月20日、品川にある会議室を借りて日本地震予知学会第12回学術講演会が開かれました。
私は「公的データから探る2004年新潟県中越地震前の地下水異常」といったタイトルで発表しました。震源近傍の7つの井戸で、地震発生前に測定された地下水温、pH値、電気伝導度のいずれか、または複数項目で異常がみられた可能性があるという内容で、研究途中段階での発表でした。
招待公演は京都大学の梅野健教授らによる発表でした。その内容が衝撃的でした。なんと、最新の地殻変動の相関解析により、2011年東北地方太平洋沖地震発生の約2時間前から1cm弱というわずかな「ゆっくり滑り」が検出できた、というものです。そればかりでなく、約1時間前には震源が特定できた、というものです。
今後この研究は大きな話題を呼ぶのではないかと思います。解析手法の是非や他の地震でも同様の結果が得られるか、などが議論されることになるでしょう。
もし、解析手法に問題がなく、他の巨大地震でも今までわからなかった直前のゆっくり滑りが検出され、震源が特定できたなら、これは地震予知研究のブレークスルーになります。