SDGs、古い言説を垂れ流すTV番組
先日、たまたまSDGsに関連した2つのTV番組を目にしました。
ひとつは、東京湾で定期運行を開始した電動旅客船に関するレポートです。動力は電気のため二酸化炭素(CO2)を排出しない、また、その電力は太陽光発電などの再生可能エネルギーで賄っているからエコだ、といった内容でした。
走行時にCO2を排出しないことは事実です。ただ、電気自動車(EV)と同じで、特にバッテリー製造時に大量のCO2を排出している点を無視した番組でした。
そればかりでなく、陸上の充電設備にもバッテリー(蓄電池)が使用されていました。このバッテリー製造時のCO2排出も無視していました。
見たくない現実を無視して、見せたい部分だけを紹介する番組でした。言い換えるなら、オールドメディア特有の「報道しない自由」を行使した番組ともいえます。
もうひとつは、サトウキビから作られたバイオ燃料(バイオエタノール)に関する話です。
この話の最後に、バイオ燃料は燃焼してCO2を排出しても、サトウキビが育つ際に、大気中から吸収したCO2がまた大気中に放出されるわけだから、CO2の収支はプラスマイナスゼロだ、という説明をしていました。いわゆるカーボンニュートラル(大気中のCO2濃度に影響を与えない)の考えです。
しかし、そこには大きな見落としがあります。サトウキビ収穫までに使われたトラクター等の排ガスや、サトウキビやバイオ燃料の運搬で使用する車両の排ガス、バイオ燃料生産時にかかるエネルギーなどでもCO2は排出されます。
このような見えにくいところのCO2を計算すると、バイオ燃料であっても使えば使うほど、大気中のCO2濃度は増加すると考えられます。
「バイオマス発電の7つの不都合な真実」(https://foejapan.org/issue/20220628/7848/)では、バイオマス発電がエコではないことが示されています。
上記番組のバイオ燃料は、ブラジル国内における話なので、「バイオマス発電の7つの不都合な真実」にある海外から運ばれてくる場合に比べれば、輸送で排出されるCO2は少ないでしょう。しかし、ゼロではありません。
この番組の制作者が、このようなことを考慮せずに番組を作成したならば、それはあまりにもお粗末です。そうではなく、知っていたのにあえて伏せていたとしたなら悪質です。
このような番組を垂れ流しているから、マスコミはマスゴミとかオールドメディアなどと揶揄されるのだと思います。