環境問題、あきらめと希望

 2026/09/11付のブログで紹介した、公益財団法人 旭硝子財団 「第7回 生活者の環境危機意識調査」では、最後に監修者である蟹江憲史 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の見解が掲載されています。

 大人は現状にあきらめを抱く反面、若者は気候変動などの環境問題について、国連などが中心となって問題を解決できる、と将来に希望を持っていることを評価していました。
 そして、「これからの時代を生きる若者たちへの負担を少なくすることに、大人が自覚し、変革を起こす時なのではないでしょうか」と述べています。

 9月8日に日本科学未来館で行われたこの調査の発表会では、登壇した同館名誉館長の毛利衛・宇宙飛行士が、地球にとっては微小な人間が増えて地球の気温が上昇していることを、体内の微小なウィルスが増殖して熱を上げることに例えて話したとのことです。
 "環境危機時計は9時39分「極めて不安」:諦めない若者に大人が学ぶとき" 2026/09/10 北村(宮子)佳代子(オルタナ輪番編集長)
(https://www.alterna.co.jp/176204/)

 また、同発表会に登壇した東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授は、あきらめている大人たちに「がっかりした」と率直な気持ちを述べたそうです。

 「だったら、どうすればいいの?」
 大人たちの「あきらめ」に対して、有識者と呼ばれる人たちは「具体的にどうすればいいのか?」、その提案が求められているのではないでしょうか。

 現状を「あきらめ」てしまった大人たちも、以前は希望を持っていたのではないかと思います。
 政府やマスコミ、有識者らが推奨するエコな行動をとっても現状は変わりません。大気中の二酸化炭素は増え続けています。いやむしろ、以前よりも早いスピードで増え続けています(2025年1月11日『温暖化対策(CO2削減)の成果を検証』参照)。

 まずは、推奨されたエコな行動に疑問を抱くことです。そして、調べることです。そうすると、今まで知らなかった事実を知ることができます。

 例えば、プラスチックについて。リサイクルすればよいではなく、リサイクルが容易に進まない理由を知り、そもそもプラスチックの生産と消費が増えている事実を知ることです(2026年08月27日『プラスチックのリサイクルは実質的に無意味』参照)。

 科学技術が進歩すれば問題は解決できる、といった考えは少なくとも現状では破綻しています。
 再生可能エネルギーが増えても、電気自動車(EV)が増えても、大気中の二酸化炭素は増え続けています。

 私たち一般市民に対して、科学技術の進歩に希望を持たせ、エコとされる行動を促し、その裏では大量生産・大量消費が拡大している現状に、まずは気づくことです。

 人類の未来を希望あるものに変えるには、天然資源やエネルギーをできるだけ使わずに、人々が幸福に暮らせる社会システム、政治・経済の仕組みを考え出す以外に手立てはない、と考えます。

2026年09月17日