EVの検査を太陽光や風力で賄うには
前回(2021年11月15日)のブログで、EV(電気自動車)は、完成時に行われる充放電の検査で、1台につき平均家庭1週間分の電気が(ムダに)消費される、といったお話ししました。また、新車400万台がすべてEVになったと仮定すると、毎年7.6万世帯1年分の電気がムダに消費される計算になりました。
では、この平均家庭7.6万世帯の電気を太陽光発電または風力発電で賄うとした場合、どの程度の規模の施設が必要になるかを考えてみたいと思います。
資源エネルギー庁によれば、100万kW級の原子力発電所が発電する1年分の発電量を太陽光発電で賄う場合、山手線一杯分の面積(約58㎢)が必要になるとあります。風力発電ではその3.4倍(約214㎢)になります。
(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/nuclear/nuclearcost.html)
電力計画.com によれば、4人世帯が1日に消費する電力量は、およそ13.1kWhとあります。
(https://standard-project.net/energy/statistics/energy-consumption-day.html
)
平均家庭をこの4人世帯とした場合、1台につき平均家庭1週間分ですから
13.1kWh × 7days = 91.7kWh となります。
また、年間400万台の新車が年中無休で生産されたと仮定した場合、1日平均約10,959台で1時間平均にすると、約457台となります。
91.7kWh × 457台 = 41,907kWh なので、毎時41,907kWの電力を生産できる発電能力が必要と考えます。
100万kW級 ÷ 41,907kW = 23.86 → 100万kW級を太陽光発電で賄う場合、約58㎢が必要になるので、41,907kWを生産するためには、
58㎢ ÷ 23.86 = 2.43㎢ の敷地が必要となります。
これは、東京ドーム(0.047㎢)51.7個分、皇居(1.42㎢)1.7倍の面積に相当します。
風力発電では、これらを3.4倍して、東京ドーム約176個分、皇居の約5.8倍の面積が必要ということになります。
上記はいろいろと仮定を重ねた計算なので、これが正しいとは言い切れませんが、太陽光発電や風力発電でEV充放電検査に必要な電力を生産するだけでも、かなりの規模の施設が必要になるようです。