化石賞が今年もニュースに
毎年開催されるCOP(国連の気候変動枠組条約締約国会議)に合わせて、環境NGOのCAN(気候行動ネットワーク)が、気候変動対策に後ろ向きな国に対して「化石賞」を贈っています。
今年もCOP28に合わせて実施されています。日本は初日に受賞しました。
"4回連続で日本に「化石賞」“温暖化対策に後ろ向きな国”", FNNプライムオンライン(フジテレビ系)
"日本に化石賞、岸田政権の水素アンモニア政策「グリーンウォッシュ」", 朝日新聞デジタル
"日本に「化石賞」4回連続、国際環境NGO「脱炭素見せかけているだけ」", 読売新聞オンライン
"日本が「化石賞」第1号に COP28、岸田首相の発言が選定理由に", 毎日新聞
"NGO、日本に「化石賞」 石炭火力の方針批判 COP28", 時事通信
"岸田首相演説に「化石賞」 COP28で環境団体", 共同通信
ザッと検索しただけでも、これだけのメディアがニュースにしています。
一方、この化石賞に対しては、ニュースにするのは日本ぐらいといった記事もあります。
"世界では注目されない「化石賞」を熱心に報じる日本メディア" 2021年11月18日
(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24882)
確かに、いち環境NGOが主観で選んだものを、こうも多くのメディアがニュースとして知らせるほどのことなのか?疑問を抱いてしまいます。
各メディアは、いったいどのような意図を持って報道しているのでしょうか?
政府を貶(おとし)めたいからでしょうか?いや、日本を、日本人を貶めたいからでしょうか?また、なぜ中国が受賞しないのでしょうか?
中国は温室効果ガスの排出量が世界一です。石炭火力も多用しています。
"中国の石炭火力は日本の20倍分で更に6倍分建設中" 2023.03.27
(https://cigs.canon/article/20230327_7360.html)
といった記事もあります。
また、昨年のCOP27でのことです。
"中国、COP27で「石炭火力発電所の大幅増強」を表明" 2022/11/29
(https://forbesjapan.com/articles/detail/52326)
それでも中国は受賞していません。
COP27 化石賞受賞国一覧
11月9日 日本
11月10日 エジプト
11月11日 アメリカ・ロシア・エジプト・UAE
11月12日 アメリカ
11月14日 ニュージーランド
11月15日 トルコ
11月16日 ロシア
(https://eleminist.com/article/2382)
ニュース記事からすると、中国がさらに石炭火力発電所を大幅増強すると表明したのは、会期が延長された11月20日のことだったようです。
環境NGOのCANがスケジュール上、20日には会場にいなかったとしても、今年のCOP28の初日に、前年度間に合わなかった分として、中国に最初の化石賞を贈るのが筋ではないでしょうか。
最初に挙げた6つのメディアニュースは、いち環境NGOが主観で選んだものをただ垂れ流すだけで、COP27で「石炭火力発電所の大幅増強」を表明した中国が選出されていないことには一切触れていません。
今回のニュースを視聴した人たちが中国のことを同時に知れば、それは化石賞の価値を自身で判断できる材料になります。
誰でも知っているノーベル賞などとは全く違う、得体の知れない「化石賞」をニュースにするなら、化石賞の価値を視聴者が自身で考えられる情報を付加しなければ、いつものようにネット民から、マスゴミと揶揄されるだけではないでしょうか。