SDGsは実現可能か?
近年よく目にするSDGs (Sustainable Development Goals) って本当に実現可能なのでしょうか?
SDGsは「持続可能な開発目標」と訳されています。SDGsは以下に示す17の目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
【目標1】貧困をなくそう
【目標2】飢餓をゼロ
【目標3】すべての人に健康と福祉を
【目標4】質の高い教育をみんなに
【目標5】ジェンダー平等を実現しよう
【目標6】安全な水とトイレを世界中に
【目標7】エネルギーをみんなに そしてクリーンに
【目標8】働きがいも 経済成長も
【目標9】産業と技術革新の基盤をつくろう
【目標10】人や国の不平等をなくそう
【目標11】住み続けられるまちづくりを
【目標12】つくる責任 つかう責任
【目標13】気候変動に具体的な対策を
【目標14】海の豊かさを守ろう
【目標15】陸の豊かさも守ろう
【目標16】平和と公正をすべての人に
【目標17】パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs は、国連加盟国全193カ国が2016年から2030年までに達成を目指すものです。
これらが全て実現した世界は理想郷といえるかもしれません。しかし、残り8年で達成できると本気で考えている人は、世界中探してもどこにもいないのではないでしょうか。
「持続可能な社会」といって思い浮かぶのは、江戸時代の日本です。江戸時代の庶民の生活は、まさに循環型社会だったといわれています。料理で使った火の灰や人の糞尿さえも、経済循環されていたといいます。ゴミとされるものは、割れて使えなくなったお皿など、修理もできないものだけだったようです。
しかし、今の世界を江戸時代のような生活にすることに賛成する人はほとんどいないでしょう。
人や国の不平等がない世界(目標10)って、どんな世界でしょうか?
全ての国の人々が平均的なアメリカ人の暮らしをすることでしょうか。であるならば、世界中の人々がスマホや車を所持し、ステーキやハンバーガーを自由に食べられる世界です。しかし、大量のエネルギーや資源を消費するアメリカ型の社会が全世界に広まることは非現実的です。
一方、先進諸国の人々の生活レベル下げ、浮いたエネルギーや資源を発展途上国で使えるようになれば、人や国の不平等がない世界(目標10)が実現するかもしれません。しかしこれもまた、先進諸国の反対で実現しないでしょう。
そこで、先進諸国の生活レベルを下げずに、なおかつ発展途上国が豊かになれば、不平等がない世界になるとの理屈が思い浮かびます。そしてそれを技術革新で実現しようといった発想です。それがSDGsなのかもしれません。
しかしそれにも?(クエスチョンマーク)がついてしまいます。
例えば、LEDランプはそれまでの蛍光灯に比べて、消費電力が少なくかつ長寿命です。SDGsにみあった商品といえます。しかし、省電力だからといって総数が増えたらどうなるでしょうか。いくら一つの消費電力が少なくても、色々な場所で使われて数が増えれば全体の消費電力は大きくなってしまいます。
昔は限れられた場所でしか見ることができなかった冬の名物イルミネーション。今日では全国各地で見ることができます。そして、それは公共の場のみならず個人宅にまで広がっています。
人の欲望に歯止めはかけられないようです。