レジ袋有料化は何のため?

 「何となく良さそうだから」。そんなイメージだけが先行して「環境保全のため」とされているもののひとつが「レジ袋有料化」ではないでしょうか。

 今の地球温暖化は人間活動による温室効果ガス(CO2など)が主要因、というのは世界の多くの研究者が導き出したもので、科学的なデータを根拠としています(しかし反論もあります)。
 さて、レジ袋からマイバッグに変えることで、本当に地球温暖化抑止に貢献できているのでしょうか?
 地球温暖化が科学的なデータを元にしているのであれば、それを抑止する行動も科学的に適切と言えるのかどうかを考えるべきです。

 日本では2020年7月1日よりレジ袋有料化が始まりました。私自身も含め、多くの国民はこれを義務だと感じていたと思います。ところが義務ではなかったのです。
"レジ袋有料化は義務ではない。単なる「強い推奨」にすぎなかった、政府が答弁"
(https://nikkan-spa.jp/1824369)

 また、有料化の目的は当初、海洋プラスチックゴミの削減でしたが、日本から直接的に海洋に排出しているプラスチックごみは日本で年間生産されるプラスチックごみ全体の0.5%以下
(https://news.livedoor.com/article/detail/18761986/)で、なおかつ、海岸に漂着するプラスチックごみのうち、ポリ袋の占める割合は0.3%(容積比)に過ぎないというのです
(https://www.news-postseven.com/archives/20200715_1578159.html?DETAIL)。

 論理破綻したので、次は「地球温暖化対策(CO2削減)のため」と目的をすり替えました。
 ところが、プラスチック生産に使われる原油は全体のわずが3%です。
 (http://www.pwmi.jp/plastics-recycle20091119/life/life3.html#:~:text=プラスチック生産に使われる,わずか3%(2018年)&text=2018年に消費され,キロリットル※1です。)
そこから、レジ袋に使われた原油を推計すると全体の 0.09% に過ぎません。

 これもまた論理破綻してしまいました。そして、環境省は「国民生活に身近なレジ袋の有料化をきっかけとして、使い捨てのプラスチックに頼った国民のライフスタイル変革を目指していく。」と、またまた目的をすり替えました。

 これもまたまた奇妙です。レジ袋有料化の議論では、最後は焼却さ処分されるものの、使い捨てではなく、家庭のゴミ袋として再利用されている、と言われていました。私の家庭でもゴミ袋として再利用していました。使い捨てしていなかった人の方がもともと多かったかもしれません。

 もともと再利用されていたものを指して「使い捨て」と言ってしまった環境省はいったい何を見ていたのか?日本の官僚は優秀とよく耳にしますが、本当にそうなのか?と疑ってしまいます。

2022年04月25日