東京五輪と自然災害

 大型の台風8号が、明日27日(火)頃に関東から東北地方に接近し上陸するおそれがあるとのことです。今、東京五輪が開催されていますが、一部競技の進行に影響が出るかもしれません。その程度だったら大したことありませんが、仮に競技場の近隣で大きな被害が出た場合の対応は大丈夫なのか、心配になってしまいます。

 菅義偉首相は、官房長官のときから「仮定の質問には答えない」、「仮定のことは考えない」が口癖でした。仮定のことを考えてそれに備えるのが防災です。菅さんが首相になってからも同様の発言をする姿を見てみて、「信じられない」と感じた人は少なくないのではないでしょうか。

 また、今年1月のテレビ朝日「報道ステーション」で、菅義偉首相の録画インタビューが放映されました。たまたまこれを観ていた私は、2週間前「静かな年末年始を」と呼びかけた時期に、感染者2000人は想像できたかと聞かれ、「いや、想像はしてませんでした」と応えた菅首相に唖然(あぜん)としてしまいました。「最悪の事態を想定してそれに備える」などという発想そのものが、残念ながらこの方にはできないのだと感じました。付け加えて言うなら、これは録画だったのですから、首相の周りの人が「これはまずい」と気付いてカットすべき内容だったでしょう。それすらできなかったのが、ある意味この国の危機管理意識のレベルということになります。

 東京オリ・パラ開催中に、もし、首都直下地震が発生したら?富士山が噴火したら?江戸川が氾濫したら?そうした仮定の事態に備えて、被害を最小限に食い止める準備はできているのか?菅義偉首相に加えてグダグダな五輪組織委員会、心配になってしまいます。

2021年07月26日