AIが情報の真偽を判断

 グーグルの日本法人によりますと、Youtube で新型コロナに関する「フェイクニュース」を、約1年半で100万本以上削除したとのことです。真偽の判断は、人工知能(AI)の機械学習と人の手によるとのことです。
(https://nordot.app/1033668236988629541)

 このニュースに対して、キャスターの辛坊治郎氏は「危険だ。民間企業が言論の自由を奪える」と訴えました。
(https://news.1242.com/article/439112)

 フェイクニュースは日常茶飯事です。
 先日(現地時間22日)もアメリカで、ペンタゴン(米国防総省)近くで爆発、とのフェイク画像が拡散され、米ニューヨーク株式市場では、主要株で構成するダウ工業株30種平均が一時80ドル近く急落するなど混乱が広がった、とのことです。
(https://mainichi.jp/articles/20230523/k00/00m/030/018000c?inb=ys)

 この例のように、合成写真などの偽画像を見抜いて削除することについては、多くの人が賛成するでしょう。
 しかし、新型コロナに関する Youtube の削除については、私も問題ありと考えます。

 正しいと言われることは、時代とともに変わることがあります。極端な例を言えば、昔は天動説が常識でした。しかし、今では地動説が常識です。
 地震についても、東日本大震災以前、マグニチュード9.0の地震があの場所に起こるとは、誰も考えていませんでした。人類は地球のことを、実はそれほど知っていない、と思っています。

 新型コロナについても、わからないことが多いです。
 厚生労働省によりますと、第8波における高齢者の死亡者数増加について、オミクロン株による死亡原因の変化(併発疾患や合併症の増悪)、ワクチンや感染によって獲得した免疫の低下、などを理由として挙げています。
(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001062650.pdf)

 しかし、ワクチン接種は高齢者優先で進められました。オミクロン株対応のワクチンについても同様です。ということは、ワクチンの効果はさほどないということなのか?など、素朴な疑問が湧いてきます。

 新型コロナに関することは、まだまだわからないことが多いです。それなのに、今の常識に反することをフェイク(虚偽情報)と結論づけてしまうのは、言論の自由のみならず、科学の進歩といった点からも問題があるのではないか、と考えます。

2023年05月26日