マスメディアの凋落
日本のマスメディアに対する信頼は、もはや失墜してしまったのではないでしょうか。
国際NGO「国境なき記者団」は、毎年「報道の自由度ランキング」を発表しています。2023年5月発表で、調査対象180カ国・地域のうち、日本は68位でした。昨年(71位)より順位を上げたものの、主要7カ国(G7)の中では依然、最下位でした。
また、日本の状況については「日本政府と企業は日常的に主流メディアの運営に圧力をかけており、その結果、汚職、セクハラ、健康問題(新型コロナ、放射能)、公害といった、敏感とみなされかねないテーマで激しい自己検閲が行われている」と説明しています。
(https://www.j-cast.com/2023/05/14461212.html)
自己検閲、まさにジャニーズ問題はマスコミの自己検閲により、数十年にわたって、国民に伝えるべき事実を伝えずに、今日まできました。
遅くとも、セクハラ行為があったことが確定した2004年に、この問題をマスコミ各社が世間に投げかけていれば、以降の被害は防げたかもしれません。
この問題は、報道しなかったマスコミだけでなく、ジャニーズ関係者、スポンサーなどが皆、同罪(共犯者)と考えることができます。
被害者は、場合によっては4桁に登ってしまうのではないか、といった推測もあります。
(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/323082/2)
一方、問題提起してこなかった共犯者側は、その何百倍もの人数になるでしょう。そして、その数の力で、この問題をうやむやにしてしまおうと画策しているように見えます。
今日本で巨悪に切り込めるメディアが週刊誌だけ、とは何とも情けない話です。
本来、マスコミは民主主義を守る役割があったはずですが、今やどの大手メディアも堕落してしまいました。それでも、彼らは電波や新聞といった巨大な力を有しています。
そんなマスコミであっても、インターネットの台頭に対しては恐れをなしていることでしょう。
できることなら、伝えるべきことを国民に伝えないメディアをこの世から葬り去りたいです。
私たち一市民ができることは、小さな声であっても、まずは声を上げることです。それだけではありません。ジャニタレ出演のテレビ番組は見ない、曲も関連グッズも買わない、ジャニタレ起用のスポンサー商品を買わないなど、実はいろいろできることがあります。
タレントに罪はない、などという人もいますが、後輩が被害に会うのを見て見ないフリをしていた可能性は否定できません。(そうした先輩タレントも被害者かもしれません。)
彼らが声を上げられなくても、私たちひとりひとりの行動により、現状を変えることは可能と考えたいです。
といいながら、原発については、福島第一原発事故があったにもかかわらず、原子力ムラという巨大な勢力に押し戻されている現状をみると、根底から変えることの難しさを感じます。