補正?改ざん?八丈島の気温データ
「気候変動・脱炭素」14のウソ(渡辺正著, 2022, 丸善出版)といった書籍のなかに、温度補正の怪しさに関する記述がありました。その一例として東京都八丈島の年ごと平均気温データが挙げられています。
書籍にはグラフが示されていなかったので、元データを確認してみました。
図1は、「気候変化レポート2018」に示されている八丈島の年平均気温の推移です。0.8℃/100年(100年で0.8℃気温が上昇する)のトレンドがあると記されています。
図1 八丈島の平均気温「気候変化レポート2018」より
(https://www.jma-net.go.jp/tokyo/shosai/umi/kikouhenka/data/47678.html#MEANTEMP)
図2は、気象庁ホームページの過去の気象データに掲載されている八丈島の実測値をグラフにしたものです。
図2 八丈島の平均気温(気象庁HP過去の気象データより)
(https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/)
渡辺氏が指摘しているように、実測値(図2)のほうがトレンドは緩やかです。直線近似からは、0.4℃/100年という値になりました。
図1と図2の違いはどこからくるのかといいますと、2002年以前のデータを補正したことによるものと考えられます。
気象庁HPには、2002年から2003年にかけて「観測場所の移転、観測装置の変更または観測の時間間隔の変更」があったと記されています。(図2の赤線が2003年を示す。)
ただし、なぜ、2002年以前のデータを実測値より低く補正したのか?その理由まではわかりませんでした。
次に、IPCC報告書の素材にもなったとされるGISSサイト上のグラフです(図3)。
図3 八丈島の平均気温(GISSのサイトより)
(https://data.giss.nasa.gov/cgi-bin/gistemp/stdata_show_v4.cgi?id=JA000047678&dt=1&ds=14)
渡辺氏が指摘しているように、さらにデータが補正されています。
図1と図3のグラフ左端を比較するとわかりやすいです。図3(GISS)は始まりが約0.5℃低くなっています。
それだけではありません。2003年以降のデータにも手が加えられています。2004年の実測値は約18.6℃、2022年は18.4℃です。しかし、図3(GISS)からは、2004年は約17.8℃、2022年は約18.7℃と読み取れます。実測値が補正?改ざん?されています。
これらにより、気温の上昇トレンドがより目立つようになっています。
GISSのデータが気象庁の補正データによるグラフとも異なるデータになっている事実は、地球温暖化を作り上げたい人々の手によるものなのかもしれません。(補正というよりは改ざん?)
果たして事実はどうなんでしょう?