離島の気温推移

 気象庁によれば、八丈島の年平均気温は 0.8℃/100年の長期トレンドでした。
(https://www.jma-net.go.jp/tokyo/shosai/umi/kikouhenka/data/47678.html#MEANTEMP)

 では、他の離島はどうなのか?
 八丈島のようにデータの連続性がないと、補正で色々と問題が生じる可能性があるので、連続してデータが得られている南鳥島、父島、与那国島、そして沖永良部島、南の島4島の長期トレンド(直線近似)を調べてみました。(図1)

図1:南鳥島、父島、与那国島、沖永良部島の年平均気温の推移
(年平均気温のデータは気象庁ホームページから引用)

 八丈島(1907年〜)に比べると、観測年数が少ないことに留意する必要がありますが、いずれも八丈島(0.8℃/100年)よりも高いトレンドを示していました。

 では南の島以外ではどうなのか?
 できるだけ長期間のデータがある島として、隠岐諸島・西郷のデータを図2に示します。

図2:隠岐諸島・西郷の年平均気温の推移
(年平均気温のデータは気象庁ホームページから引用)

 隠岐諸島・西郷は83年間のデータから、1.7℃/100年のトレンドになりました。やはり、八丈島よりも高いです。

 一方、1891〜2022年のデータから見た世界の年平均気温の長期トレンドは 0.74℃/100年となっています。ただし、こちらは実測値ではなく、年平均気温偏差の経年変化であるといった違いがあります。
(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html)

 離島は都市化によるヒートアイランド現象の影響が少ないと考えられるので、人間活動による影響が少ない、より自然に近いデータと考えられます。そうしたデータであっても、日本の離島は、世界全体の気温上昇よりも高い上昇率を示していました。

 あえて日本に限って考えましょう。その場合、観測データは温暖化の傾向を示していると言えそうです。 

2023年06月30日