南極の気温は?
日本の離島よりも、人間活動による影響がより少ないと思われる昭和基地の年平均気温の推移を図1に示します。
図1:昭和基地の年平均気温の推移
(データは気象庁ホームページから引用)
直線近似による長期トレンドは、+0.4℃/100年でした。温暖化しているといえるかいえないかぐらいのわずかな変化率です。
一方、南極の極点付近では、1989年から2018年の30年間の気温上昇トレンドが +1.8℃ で、これは世界の他の地域の3倍に達するといった研究結果もあります(図2)。特に2000年以降の気温上昇が顕著です。
(https://theconversation.com/new-research-shows-the-south-pole-is-warming-faster-than-the-rest-of-the-world-141536)
図2:南極の極点付近の年平均気温推移
(https://theconversation.com/new-research-shows-the-south-pole-is-warming-faster-than-the-rest-of-the-world-141536
より引用)
一方、この記事によると、極点で上昇傾向が顕著になった2000年以降に、南極大陸の西部地域では気温上昇の傾向が停止し、南極半島では逆に気温低下に転じたとあります。
図3は、それぞれの位置関係を示した図になります。
図3:南極大陸の地図
(https://theconversation.com/new-research-shows-the-south-pole-is-warming-faster-than-the-rest-of-the-world-141536 "Map
of the Antarctic continent. National Science Foundation" に加筆)
極点および南極半島、西部地域で見られた2000年以降の気温トレンドの変化は、大陸の東部に位置する昭和基地では見られませんでした。
これらの結果から、南極大陸の気温変動は地域差がかなりあると言えそうです。