人為的なCO2排出抑制とSDGsとの矛盾
"7月は史上最も暑い月に 国連総長は「沸騰化の時代」と警告"
(https://www.bbc.com/japanese/66333742)
"「地球は未知の領域に」 数々の気候記録が更新、科学者らが警戒"
(https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66253356)
など、世界的な今年の夏の異常な暑さがクローズアップされています。
一方、"ノーベル賞受賞物理学者「気候変動は存在せず」が物議 CO2には良い面も? 専門家「自然変動でも大雨は増減」"
(https://times.abema.tv/articles/-/10088703)のように、気候変動、異常気象を否定するような声もあります。
確かに、現在の気候は人類にとっては未知かもしれませんが、地球にとっては未知ではありません。地球は誕生当初、熱いマグマで覆われていたと考えられています(マグマオーシャン)。また、スノーボールアースと呼ばれる全球凍結も経験しています。地球温暖化(または沸騰化)や異常気象は、あくまで人類にとっての話です。
世界の多くの研究者は、この温暖化の主たる原因は人類の化石燃料使用による二酸化炭素(CO2)排出にある、と考えています。
ただし、今夏の暑さについては、昨年(2022年)1月15日に噴火した南太平洋・トンガ諸島の海底火山の影響も考慮する必要があるかもしれません。
なぜなら、通常の火山噴火では、火山灰等の影響で日光がさえぎられ寒冷化に寄与しますが、トンガの海底火山噴火では多くの水蒸気が噴出されたため、温暖化に寄与すると考えられているからです(水蒸気は温室効果があるため)。
この噴火が温暖化にどれほどの影響を及ぼすかについては未知なので、今後の研究結果を待つしかありません。
また、気候に及ぼす影響としては、他にエルニーニョのような現象や太陽活動なども考慮する必要があります。
さて、SDGs(持続可能な開発目標)の第一番目は「貧困をなくそう」です。
貧困をなくすには、経済を活発化して皆が稼げるようにしなければなりません。
経済が活発になるということは、人や物、情報などが活発に動くことを意味します。
そのためには、多くのエネルギーが必要となります。
仮にそのエネルギーを再生可能エネルギーで賄うとした場合、太陽光発電や風力発電、蓄電等の設備が必要になります。場合によったら、森林伐採など自然環境を破壊して、立地場所を確保する必要があります。
また、大量の天然資源が必要になります。天然資源の採掘や精錬、運搬等でもエネルギーが必要です。
採掘で使う重機や運搬で使うダンプを電気駆動にするなら、電気自動車が必要です。
電気自動車は製造時に、ガソリン車以上にCO2を排出します。
(例えば、https://dfir-lab.info/posts/item28.html 参照)
結局、全てをクリーンエネルギーとされる代物でまかなおうとしたところで、CO2は必ず排出されます。特に電気自動車は作れば作るほど、新車の段階ではガソリン車以上にCO2を排出しているのが事実です。
なぜ多くの人は、この事実に目を背けるのでしょうか?
それは、経済の発展が最重要と考えているからかもしれません。
では、経済の発展なしに、どのようにして貧困をなくすことができるのでしょうか?
本気で貧困をなくしたいなら(SDGsを実現したいなら)、資源やエネルギーの大量消費なしに経済を回す仕組みを考えるしかなさそうです。