国のデジタル化、先ず隗より始めよ
岸田首相は「国のデジタル化が必要」と、マイナンバーカードと国民健康保険証の一体化に国民の理解を求めようとしています。
デジタル技術を活用し、企業全体を変革して新たな価値を創出するといったDX(デジタルトランスフォーメーション)は、日本企業が世界的な競争に生き残る上で必須と、国は考えています。
経産省によれば、2025年までにDXが実現できなかった場合、毎年12兆円もの経済損失が生ずる可能性がある、としています。
数年前のコロナ対策でも、デジタル化が進んでいる台湾などの諸外国と、そうでない日本との差が浮き彫りになりました。
例えば、給付金の支給はマイナンバーと銀行口座が紐付けされていればスムーズに行われたでしょう。
しかし、マイナンバーの普及には、少なからず国民監視や情報漏洩といった不安があります。こうした不安の払拭とともに、デジタル化の利便性を訴えるためにも、まずは国会からデジタル化を進めるべきです。
手始めに、国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)から、デジタル化をしてみましょう。
これは、以前からネットでは言われていたことですが、大手マスコミがこぞって取り上げ、世論喚起するまでには至っていません。
支給は専用のカードにして、国民は誰が何にいくら使用したのかを、ネット環境さえあれば確認できるようにします。そんなに難しくはないでしょう。いや、やろうと思えばすぐにでも実現可能なはずです。
まずは、国会議員が国民に「デジタル化はいいでしょ」って思ってもらえるようにすることが、国民の不安払拭につながるのではないでしょうか。
野党も、与党の批判をするだけでなく、デジタル化は「先ず隗より始めよ」で、手始めに旧文通費のデジタル化を提案してみたらいかがでしょうか。
また、大手マスコミも、国会議員がデジタル化による利点を自ら示すよう、まずは旧文通費のデジタル化の実践を促したらどうでしょうか。
しかしながら、国会議員としての特権を手放したくないのは野党議員も同じでしょうから、国会のデジタル化は進みそうにありません。
あとは、大手マスコミによる世論喚起を期待するしかなさそうです。