注目される天然水素

 水素は次世代のエネルギーとして注目されているもののひとつです。

 ただし、水素は石油や石炭、天然ガスのように直接採取することができず、化石燃料からの生成や、再生可能エネルギーを使って水を電気分解して生成するなどして得るといったことが一般的でした。したがって、二酸化炭素の排出やエネルギー効率を考えると、正直、次世代エネルギー源としては期待薄だったといえます。

 ところが近年、天然に存在する水素が注目されるようになりました。
"化石燃料の採掘中に発見された温暖化対策のカギ" (2023.10.30)
 石油や石炭、天然ガスなどのように、直接水素を採取することができれば、エネルギー効率などの問題は解決できます。
 また、この天然水素は日本にも存在するというのです。
"天然水素の動向" (2023.8.31)
(https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1009585/1009871.html)

 一方、水素は大気中のメタンやオゾン、水蒸気などと化合し、その反応熱が大気を温め温暖化に寄与する、といった報告もあります。
"水素が地球温暖化を加速する可能性" (2022.7.4)
(https://ieei.or.jp/2022/07/column220704/)

 また、この記事によれば、「これから20数年で見ると、水素由来の温暖化効果は炭酸ガスのそれを33倍前後上回る」ともあります。

 個人的には、自然界で水素がメタンやオゾンなどと、どの程度の頻度で反応するのか(反応する条件は限られているのではないか)、と疑問を抱いています。この点は私自身、勉強が必要です。

 水素に限らず、温暖化抑止を目的とした技術が、実際には温暖化を促進してしまうのであれば、それは大問題です。
 天然水素の実用化に期待が高まるものの、水素による温暖化効果についても科学的な検証が必要と感じます。

2024年03月19日