地球は放置しても育たない、とは?

 「地球は放置しても育たない」は、NHKが放映していいるテレビ番組のタイトルです。
 地球と人類との関係について、こうした誤った概念を NHK for school の一環として、子どもたちに植え付けようとする NHK の意図がどこにあるのか不明です。

 地球と人類(人間)との関係を語る際、私がよく使う例え話は以下になります。
 1)今この時点で地球が消滅したら、あなたは、そして人類はどうなるでしょう?
 2)逆に、今この時点であなたを含めた人類が瞬時に消滅したら、地球はどうなるでしょう?

 1)の答えは、地球が消滅すれば人類も誰一人残さず死ぬでしょう。
 2)一方、人類が瞬時に消え失せたところで、地球は何事もなかったかのごとく存在し続けるでしょう。

 これが、地球と私たち人類との厳然たる関係です。
 人類(人間)は、地球から生まれてきました。地球がなければ、私もあなたも生まれてくることはありませんでした。
 かたや、地球は人類によって作られたものではありません。

 地球は放置しても育たない、といった表現は、地球を草花や犬猫のようなペットと同じようなものとして扱っているようにしか思えません。思い上がった人間の発想です。
 地球は人間が育てるものではありません。「地球は放置しても育たない」は、根本が誤っています。

 人類を含め地球上に存在する生命は、すべて地球の一部でしかありません。
 しかし、残念なことに多くの人々、おそらくは西欧文化の影響を色濃く受けた人々の多くが、地球を草花や犬猫のように人間が管理するもの、人間の方が地球より上位の存在である、と勘違いしています。

 日本には元々、自然(地球)を恐れ敬う畏敬の念がありました。
 NHK が NHK for school として、子ども達に伝えるべきことは、誤った地球観などではありません。自然に対する畏敬の念こそ伝えるべきことです。

2024年04月09日