東日本大震災から13年

 今年は元旦に能登半島地震がありました。また、2月末から3月にかけて千葉県東方沖で群発地震が活発化しています。他にも、宮崎県や紀伊半島、富士山近く、北海道の浦河沖などで有感地震が発生しており、全国的に地震に対する不安感が増しているのではないかと感じています。

 3月11日は東日本大震災があった日です。甚大な被害を受けた三陸地方には、毎年のように調査研究で訪れています。
 残念なのは 3.11後に科研費が通らず、地下水観測が出来なかったことです。

 東日本大震災は2011年でした。昭和三陸地震は1933年で、その間隔は78年と100年未満です。また、明治三陸地震は1896年に発生しているので、昭和三陸地震との間隔はたったの37年です。
 さらに、昭和三陸地震と東日本大震災の間には、1978年宮城県沖地震(マグニチュード: M7.4)や1994年三陸はるか沖地震 (M7.6)などの被害地震が複数発生しています。

 南海トラフや首都直下、さらに富士山噴火などが全国的には注目されているかもしれません。しかし、東北の太平洋岸では、大津波を伴う大地震が数十年間隔で発生しています。次の大地震と大津波がそう遠くない将来に発生する可能性があることも忘れてはなりません。

 三陸沿岸で発生する次の大地震の予測に役立つかもしれない地下水観測について、以前科研費の取得を目指しましたが、通ることはありませんでした。
 長期的な観測は、本来であれば気象庁などの国の機関が担うべきです。しかし、日本における科学研究の予算は、すぐに結果が出るものが優先されているのが現状です。

 基礎的な研究はすぐに結果がでるものではありませんが、ドイツなどでは基礎研究の重要性を認識している国もあります。日本政府も基礎研究の重要性に気づいてほしいものです。

2024年03月11日