AIの進化と環境負荷
人工知能(AI)の開発競争が激しさを増しています。そして、その開発には大量の電力が消費されます。
"大量の電力を消費する「AI」で世界はエネルギー危機に" 2024.05.28 09:00
(https://forbesjapan.com/articles/detail/71224)
上記の記事によりますと、AIやChatGPTといった大規模言語モデル(LLM)の学習と運用に使用されるデータセンターは、膨大な電力を必要とします。例えば、GPT-4は50ギガワット時(GWh)以上を必要とし、これは米カリフォルニア州で1年間に発電される電力の約0.02%に相当し、GPT-3の学習に必要な量の50倍、とのことです。
また、"ChatGPT、学習で大量CO2 AIと温暖化「不都合な真実」" 2023年5月6日8時00分
(https://www.asahi.com/articles/ASR515GBJR51ULBH002.html)
によりますと、AI開発に使われる大量の電力によって排出される二酸化炭素の量は、GPT-3で502トン、米国人1人の1年の排出量の約28倍。ニューヨークからサンフランシスコまでの飛行機が往復した場合の乗客1人あたりの排出量の約507倍に相当する、とのことです。
上記2つの記事から考えると、GPT-4の学習と運用に使用される電力消費によって排出される二酸化炭素は、米国人1人の1年の排出量の、なんと約1400倍(=28×50)です。
それだけではありません。具体的な数字はわかりませんが、データセンターを造るためには、大量の鉱物資源や水資源が使われます。
データセンターの建物、コンピュータ、冷却装置、非常用電源などに、様々な天然資源が使われます。
また、コンピュータの心臓部である集積回路(IC)には、様々な半導体素子が使われます。
そして、この半導体の生産には、大量の水が必要になります。
こうした事実に関する情報が少ないと感じています。