太陽光発電が温暖化を助長?

 地球が暗くなっている。宇宙から見た地球が近年、暗くなっているといわれています。

 その理由を説明する論文の記事がありました。
"想定以上に早い地球温暖化、科学者らが理由を解明 新研究" 2024.12.06 Fri posted at 16:14 JST
(https://www.cnn.co.jp/fringe/35227017.html)

 現在、想定より早く温暖化が進んでいるのは、海上の低い位置に発生する雲が減少したことで地球が「黒っぽくなった」ため、と説明しています。

 天体の外部からの入射光に対する反射光の比(反射率)は、アルベドと呼ばれています。
 記事によれば、地球のアルベドが1970年代以降減少し続けているというのです。これは、明るい色の雪氷が減少していることに加え、海上の低い位置に発生する雲(下層雲)の減少もアルベドの減少に寄与している、というのがこの論文の言わんとしていることです。

 地球のアルベドは約30%です(例えば、https://astro-dic.jp/albedo/)。
 別の言い方をすれば、太陽エネルギーの約70%は地球に吸収されていることになります。そして、この吸収されたエネルギーは、最終的に赤外線として宇宙空間へ放出されます。

 二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスは、この赤外線の宇宙空間への放出を阻むことによって、地球温暖化に寄与しています。
 また、地球が暗くなる(黒っぽくなる)ことも、アルベドを減少させ、地球温暖化を促しています。

 "サハラ砂漠に設置されたソーラーパネルは、再生可能エネルギーを増加させるが、地球気候を破壊する可能性がある - これがその理由だ。" AEG 2022年2月21日 22:27
(https://note.com/aeg/n/n8db9f0687bb0)
(元の記事:https://theconversation.com/solar-panels-in-sahara-could-boost-renewable-energy-but-damage-the-global-climate-heres-why-153992)

 この記事によれば、サハラ砂漠の20%を太陽光発電所で覆うと、世界の平均気温は0.16℃上昇、50%のカバー率で0.39℃上昇するとのことです。
 ソーラーパネルは黒いため太陽光の大部分を吸収しますが、電気に変換されるのは約15%で、残りは熱として周囲に還元されます。この熱放出が気候に影響を与える、と主張しています。
 要は、黒いソーラーパネルを大量に敷き詰めることで、地球のアルベドが低下し温暖化を促進させる、ということです

 これは、あくまでひとつの研究結果に過ぎませんが、暗い(黒い)ソーラーパネルが、地球のアルベドを減少させる、ということは、説得力があります。

 温暖化を食い止めるはずの太陽光発電が、かえって温暖化を助長してしまう可能性がある。何とも皮肉なことです。

2025年1月16日