日本の地震防災を問う(2) 地震学の実力

 日本の社会は実力以上に地震学に期待し、信頼しているのではないか、と日頃感じています。
 事実、能登半島地震で4メートルも隆起した輪島地域を、高レベル放射性廃棄物の最終処分場の適地としていました(参考:『能登半島は高レベル放射性廃棄物処分の好適地?』https://dfir-lab.info/posts/post61.html)。
 また、2016年の熊本地震が発生する前まで、熊本県は熊本は地震の安全地帯として、企業誘致をしていました。

 これらは、地震学が示した危険性を根拠に、ここは「安全」と判断した結果だと考えます。

 先日のニュースに能登半島の地震活動を「今まで経験したことがない」と、平田直政府調査委員長がコメントしていた、とありました。
"大きな地震数カ月置き、経験ない 平田直政府調査委員長" 2024/12/12
(https://nordot.app/1239186700587188516?c=302675738515047521)

 地震について、(大げさに言えば)人類が知らないことはまだまだあるということです。

 東日本大震災が起こるまで、マグニチュード9の地震があの場所で起こるとは誰も考えていませんでした。
 2016年熊本地震で、震度7を記録する地震が立て続けに発生することも、当時は誰も考えていませんでした。

 知らないことがまだまだある、特に、これから先のことについて知らないことがまだまだあるのが、今の地震学の実力です。
 一方、社会はこれから起こる地震の情報を欲しています。
 このギャップに対して、地震学の側が背伸びをして、社会のニーズに応えようとしているように、私には思えます。

2024年12月15日