千葉の地震、揺れの前に魚が・・・
10月7日22時41分頃、千葉県北西部を震源とするマグニチュード(M) 5.9 (深さ 75km)の地震が発生しました。埼玉県川口市と宮代町、東京都足立区で震度5強を記録しました。
そして、翌8日に国土交通省の荒川下流河川事務所がツイッターで地震発生時の映像を公開しました。江戸川区小松川の平成橋で撮られた映像には、魚や鳥が地震に反応している様子が記録されています。
https://twitter.com/mlit_arakawa_ka/status/1446343533342838786?ref_src
=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Etweet
https://www.huffingtonpost.jp/entry
/story_jp_6160f87de4b024dc52810fbc?utm_hp_ref=yahoo
地震の揺れが来る10秒くらい前に川の魚が一斉に飛び跳ねていました。
下の図は地震の初期微動(P波)及び主要動(S波)と震源からの距離の関係を表しています。一般的に P波は 5~7 km/s, S波は 3~5
km/s です。この図では P波 7 km/s, S波 4 km/s としています。
魚が飛び跳ねたのは大きな揺れ(S波)が到達する約10秒前でした。また、震源が東京都江戸川区に近い千葉県北西部で、震源の深さが 75km だったことから、魚が飛び跳ねた平成橋付近から震源までの距離は
80~100 km 程度だったと考えられます。
上の図から P波と S波の時間差が 10秒程になるのは、震源からの距離が 90km ぐらいのときです。このことを考慮すると、この魚の飛び跳ねは
P波到達によるものと考えるのが妥当でしょう。魚がびっくりしたぐらいですから、この地震の P波はそれなりに大きかったのだと思います。
そういえば、2018年大阪府北部地震の際に、和歌山県の猫カフェでも、揺れ(S波)到達前に猫が騒ぎ出した映像があった記憶があります。これもP波を猫が感知したものと考えられます。
こうした動物の異常行動は、地震を事前に察知したかのように見えますが、そうではなく、初期微動(P波)に反応したものと考えるべきでしょう。