トンガ沖の海底火山噴火から人知を考える
1月17日といえば真っ先に1995年の阪神・淡路大震災を思い浮かべます。しかし、今日は15日に発生したトンガ沖の海底火山噴火とそれに伴う津波について触れてみたいと思います。
火山噴火による津波といえば、日本では島原大変肥後迷惑といわれた1792年の山体崩壊による津波があります。これは、島原地方(今の長崎県)に位置する眉山が山体崩壊して、その土砂に一気に有明海に流れ込むことで生じたものです。しかし、日本にも押し寄せた今回の津波(人によっては潮位変化と言っています)は、海底火山の噴火によるものなので、これとは発生メカニズムが異なります。
今回のようなメカニズム(現時点ではどのようなものなのか不明)による津波は、少なくとも近代的な観測以降はないといえます。気象庁も津波の予測が出しづらかったことと推測します。
さて、ここで私が思ったことは、やはり人類は地球のことを知り尽くしてはいないということです。どの程度知っているのかも、はっきりと答えることはできないでしょう。
"Save the Planet"(地球を救おう)など、まさに驕り高ぶった人類を象徴しているように思えてなりません。また、高レベル放射性廃棄物の処分について、10万年先のことまでわかっているかのようなことを言う人さえいます。
人は地球によって生かされている存在です。地球がなければ誰も生きていくことはできません。一方、今この瞬間に全人類がいなくなったとしても地球は存在し続けます。人が地球を守っているのではなく、人は地球に守られているのです。そのことを認識しなければ、持続可能な社会の実現は難しいのではないかと考えています。