2008年5月12日に四川大地震

 2008年の今日、中国内陸部の四川省でマグニチュード7.9の地震が発生しました。国連の国際防災戦略(ISDR)によれば、死者は8万人以上といわれています。

 この地震は、1000万年以上活動していなかったとされる龍門山断層(Longmenshan Fault)が動いたものです。これだけ長期間活動の痕跡がなかった断層ですから、次の活動を予測する長期予測も難しかったと考えられます。

 では、地震発生直前の前兆現象はどうだったのでしょうか。この地震の震央から約75km離れた四川大学(Sichuan University)のある研究室で、動物の自発運動と体内時計の研究のため、同時に8匹のマウスが飼育されていました。そして、この8匹のマウスのうち6匹で地震の3日前から自発運動と体内時計の両方で異常が見られました。(Li et al., 2009, Behavioral Change Related to Wenchuan Devastating Earthquake in Mice, Bioelectromagnetics)

 地震3日前から見られたこのマウスの異常行動は、地震予知研究と無関係な研究で得られたデータです。したがって、地震前兆を見つけようとするバイアス(偏見)がかかっていないものと考えられます。その意味において、信頼性の高いデータではないかと考えています。

2021年05月12日