【再考】3.11(東日本大震災)前の動物異常行動(4) ナマズ

 2011年3月24日付の東奥新聞に「1月、やなに連日ナマズ 東日本大震災の前兆?」といった記事があります。

 八戸市北部を流れる五戸川で2011年1月、サケ採捕用のやなに連日多くのナマズが掛かっていたとのことです。年明けからやなを撤去する1月中旬まで、ほぼ毎日、多い日には20匹程度のナマズが掛かったそうです。担当職員の話では「30年以上従事しているが、あんなに多かったのは見たことない」とのことでした。仲間と「大地震が来なければいいが」と話していたそうです。

 やはりナマズは地震を予知していた!と思う方もいるかもしれません。過去30年間で初めての出来事なので、異常現象と言ってもいいかもしれません。また、やなの設置終了に伴い1月中旬で記録が途絶えていますが、続けていたならナマズ捕獲も継続していたかもしれません(あくまで想像です)。

 ただし、気になる点がいくつかあります。ひとつは「あんなに多かったのは見たことない」といった証言です。この言い方だと、毎年やなにナマズは掛かっていると読み取ることができます。量の大小の問題となると、過去にもそれなりに多くのナマズが掛かっていたことがあったが記憶には残らず、今回は東日本大震災という大きな地震があったため、記憶に鮮明に残った可能性、つまり、人のバイアスが掛かっていた可能性が否定できません。
 次に、ナマズ異常行動の情報は青森県八戸市の五戸川だけ、といった点です。マグニチュード9.0といった巨大な地震の前兆であるなら、もっと広範囲でナマズの異常行動が見られているべきではないか?といった疑問です。

 ナマズは広範囲に生息しています。それなのになぜ、五戸川の異常しか情報がないのか?
 五戸川のナマズ異常行動が東北地方太平洋沖地震の前兆だったかどうか、この記事だけでは判断できません。他にナマズの前兆的な異常行動なかったのか、さらなる情報が欲しいところです。

2022年10月10日