【再考】3.11(東日本大震災)前の動物異常行動(5) 海鳴りとキジ

 ”気仙沼で起きた東日本大震災前日の異変”(http://inorinowa.org/yochibousai/yochibousai-10.html)には、2011年9月1日付河北新報の記事が転載されています。

 東日本大震災の前日3月10日に、宮城県気仙沼市波路上地区の住民が、激しい海鳴りとキジの鳴き声を2回ずつ聞いていました。この地区では経験的に海鳴りの後にキジが鳴くと地震があるとされています。
 3月10日午前7時半ごろに海鳴りがあり、続いてキジが鳴きました。また、同日午前10時半ごろにも同様のことが起きました。以前、海鳴りの後に地震を経験したある住民は、地震が来ると身構えていたそうです。しかし、地震はなく「こんなことは初めて」と不思議に思った、とあります。一方、震災当日の11日は、海鳴りもキジの鳴き声も聞かなかったそうです。

 「キジが鳴くと地震が起きる」といった言い伝えは、日本各地に残っています。だからといって、上記の「海鳴り→キジが鳴く」が本震(3月11日)の前兆だったとは断定できません。

 この記事からは、3月9日の地震前に「海鳴り→キジが鳴く」があったかどうかが不明です。3月9日の地震は3月11日の前震とされていますが、マグニチュード7.3と大きな地震でした。過去に「海鳴り→キジが鳴く」が、どの地震の前にあったのかも不明ですが、仮に同等の規模の地震であったなら、3月9日にも「海鳴り→キジが鳴く」があってもおかしくありません。

 この記事では、過去に「海鳴り→キジが鳴く」を経験した住民が、過去に何回、どの地震でそれを経験したことがあるのかの情報もありません。ただし、ネットで拾うことができたこの情報は原本ではないので、河北新報の原記事を確認する必要があります。

 この前兆だったかもしれない出来事は、不明な点が多いものの興味深いものではあります。海鳴りにキジが反応して鳴いた可能性も考えられます。また、海鳴りはどの程度頻繁に発生するのか?キジの鳴き声はどの程度頻繁に発生するのか?「海鳴り→キジが鳴く」はどの程度頻繁に発生し、その後に地震が起きたケースと起きなかったケースはどの程度あったのか?海鳴りのメカニズムはどのようなものなのか?など、いろいろと興味が尽きません。

2022年10月17日