千葉のイルカ集団座礁の原因は?
今週の月曜日 (3日) から、千葉県一宮町でのイルカ集団座礁が、SNSを中心に話題になっています。
なかには「地震の前兆では?」といった書き込みがありました。
昨日6日には、"集団漂着のイルカたち、衰弱した妊娠中の仲間を守ろうとして浅瀬に流されたか" (2023/04/06 13:37
讀賣新聞オンライン)といった記事が配信されました。
(https://www.yomiuri.co.jp/science/20230405-OYT1T50239/)
死んだイルカを回収した国立科学博物館が3頭の解剖し、2頭が妊娠中で、うち1頭は重篤な肺炎だったそうです。また、同博物館の田島研究主幹によれば、「1頭には肺炎の症状もあり、呼吸をするのも難しい状況だったはず。黒潮から冷水域に入り、複数の衰弱した妊娠個体を仲間が守ろうとして浜辺に漂着したのではないか」とのことです。
何か異常な出来事があると、すぐに「地震の前兆ではないか?」と考えてしまう人が少なからずいます。本人がそう思っているだけなら特に問題はないのですが、それを他人に話す(SNSで拡散する)と、それを見聞きして不安を抱いてしまう人も、また少なからずいます。
見聞きして不安がった人たちは、この記事のような専門家の分析結果を聞くと、少しは安心するのではないでしょうか。それでも、これとて一つの仮説であって、地震前兆の仮説が否定されたわけではない、と考える人がいるかもしれません。
「地震の前兆ではない」と「ない」ことを否定することは、悪魔の証明などと言われることもあり、大変困難なことです。
なので、何がもっともらしいか?地震前兆説を信じる前に、それ以外の説を自分で調べてみる、判断はその後でもいいのではないでしょうか。
SNS上には、面白半分または悪意を持って、わざと人が不安を抱くようなことを発信する人がいます。
受け取る側は、悪意を持った発信者が必ずいることを常に念頭に置いて、投稿内容を安易に受け入れない、自分で色々な発言(説)を調べてみることが大切です。
そのためのレクチャーを、小学校のうちから断続的にでも続けることが、不安を抱いてしまう人を減らすことにつながるのではないか、と考えます。
換言するなら、情報リテラシー、ネットリテラシーなどと言われるものの向上をはかる、ということです。