最近やたらと多い巨大地震の煽り記事
"日本の「巨大地震」で命を奪う「意外すぎるモノ」…それは津波でも火事でもない" 2023.10.15
(https://gendai.media/articles/-/116809)
"「南海トラフ巨大地震」で「日本」は「衝撃的な有り様」になる…その「ヤバすぎる被害規模」" 2023.09.28
(https://gendai.media/articles/-/116942)
"巨大地震の後にやってくる「大津波」の恐怖…多くの人が知らない「生死を分けたもの」" 2023.09.26
(https://gendai.media/articles/-/116119)
このような不安を煽る記事を、最近よく目にします。
ただし、これらはいずれも「現代ビジネス」関連の記事で、書籍の宣伝記事でもあります。
南海トラフ地震も首都直下地震も、必ずやってくる地震です。ただし、いつ・どの程度の規模か、といったことを正確に言い当てることはできません。
現時点で、首都直下地震については、大正関東地震(マグニチュード: M7.9)よりもひと回り小さいM7クラスの地震発生が懸念されています。そのことは、2023/9/1付ブログ「関東大震災から100年」でお話ししました。
「首都直下地震の被害想定対策のポイント」(https://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/jikkoukaigi/03/pdf/1-1.pdf)には、M7クラスの19想定地震による震度分布などが示されています。
"首都直下、震源別に4ケース 震度7可能性は計21区市町" 2022年5月25日 11:41
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE233IK0T20C22A5000000/)
"東京都初「災害シナリオ」首都直下地震で停電とトイレ・食料リスク" 2022/07/05
(https://www.bosai.yomiuri.co.jp/feature/6560)
などには、発生直後から1か月までに起こりうる出来事が明示されています。
何が起こりうるのかを知り、それに備えることは大切です。
ただ、19想定地震による震度分布や、災害シナリオは、あくまで想定地震の1つが起きた場合のことです。
ある首都直下地震が引き金となって、別震源の首都直下地震が立て続けに発生する可能性がないとはいえません。
また、地震以外の自然災害(風水害や火山噴火など)が同時期に発生するといった複合災害の可能性もあります。さらに、首都直下地震と南海トラフなど他の大地震が立て続けに起きることも否定できません。
このようにいろいろ考えを巡らすと、どこまで想定すればいいのかわからなくなり、最終的に思考停止になってしまうかもしれません。
だからといって、何も準備しなくてもいいはずはありません。必ずやってくる震災への備えは必須です。
家族の安否確認方法、避難場所とそこまでのルート、家屋の耐震化、家具の固定、水や食糧の備蓄など、考えられることはとにかく準備しておいて損はありません。
南海トラフにしろ首都直下にしろ、大地震が発生した場合(特に南海トラフ)は、国家存亡の一大事になる可能性が非常に高いといえます。
そうした必ずやってくる危機を前に、政府やマスコミの動きの少なさは、来るべき現実から目を背けているようにも思えてしまいます。