マイワシの豊漁、その原因は?
北海道東沖でマイワシが5年連続20万トン超えと、豊漁が続いているとのことです。
"マイワシが北海道の東沖で豊漁、水揚げ高は32年ぶりに100億円突破…飼料・肥料の国際市場高騰も追い風"
(https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231116-OYT1T50080/)
1896年明治三陸地震の前には、マグロ、イワシ、カツオが豊漁、1933年昭和三陸地震の前には、イワシが豊漁だったとあります(吉村昭著『三陸海岸大津波』)。
そして、2011年東北地方太平洋沖地震でも、イワシの漁獲異常(豊漁)がありました。ただし、同様の漁獲異常は大地震が起きなかった別の年にもみられました(織原他,
2014)。
今回のニュースにあったイワシの豊漁は、三陸の大地震前のそれとは違うようです。
マイワシの資源量は数十年単位で増減を繰り返すといわれています。今は資源量が多い時期と考えられます。
また、近年は海水温の上昇により、獲れる魚種が変化してきているようです。
"函館で名物のイカとれずブリ大漁…海水温の上昇で漁場が北方にシフト、専門家「漁で狙う魚種の転換支援を」"
(https://www.yomiuri.co.jp/economy/20231116-OYT1T50135/)
"「漁師も鮮魚店も知らないような魚が…」伊豆の海に異変のナゼ 夏の水温観測史上最高でキハダマグロが定置網にかかり 沖縄を代表する魚も“定住”
"
(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/839200)
三陸沖の大地震に関しては、上記のように3回のイワシ漁獲異常(豊漁)が報告されています。
次の大地震前にも同様の現象がみられる可能性があります。ただし、イワシの漁獲異常だけで大地震を予測することはできません。それでも、地震の予兆を考える上で、補足情報にはなり得ると思っています。
ただ、こうした漁獲異常も、昨今の海水温上昇による影響で、今後は参考にならなくなってしまうかもしれません。