小泉劇場に騙されないように

 小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任して以降、備蓄米を随意契約で放出し、市場にも出回るようになりました。
 そして一部マスコミが、小泉大臣をヒーロー扱いするような報道をしています。一方、それに反感を示す記事もあります。
 "「農家に失礼」備蓄米の「小泉米」呼称に疑問の声…就任1週間の“進次郎劇場”に広がる反感" 記事投稿日:2025/05/28 18:20 最終更新日:2025/05/28 19:52『女性自身』編集部
(https://jisin.jp/domestic/2474309/)

 この記事によれば、以下のマスコミが「小泉米」なる造語を使っていると指摘しています。(以下、記事引用)
《「小泉米」3分の1超が“申請済み”》(5月27日放送TBS「Nスタ」)
《「売れなくて残っちゃう…」2000円台の“小泉米”にお米専門店が“ため息” 江藤前大臣放出分の備蓄米の行方は?輸送費も自費負担》(5/28配信「FNNプライムオンライン」)
《「小泉米」早期販売は精米が課題…政府「6月初旬」期待も工場は「すでにパンク状態だ」》(5/28配信「 読売新聞オンライン」)

 小泉劇場、これを持ち上げるマスコミ、そして、それを有り難く思い自民公明政権がこれまでやってきたことを忘れてしまう国民も、残念ながらいるかもしれません。しかし、忘れてはいけません。なぜなら米不足の現状を作ったのは自公政権だからです。

 現在の米不足の問題を冷静に考えてみましょう。

 昨年(令和6年)の米の作況指数は平年並みでした。また、令和6年産の米の生産量は734.6万トンで、令和5年716.6万トン、令和4年727.0万トンよりも多くなっています。(https://www.maff.go.jp/j/tokei/sihyo/data/06.html)
 十分と思われる生産量だったにも関わらず、昨年後半から米価格が高騰してきた理由は、このデータだけで考えることは難しいです。

 少なくとも言えることは、備蓄米を放出せざるを得ない状況になってしまったのは、ひとえにこれまでの自公連立政権による失策が招いた災い(人災)だ、ということです。

 そして現在、備蓄米を放出し米の価格が下がってきたことを有り難く思ってしまうことは、自公政権の思う壺だということを忘れてはいけません。
 長年何もしてこなかった、いやむしろ日本の農業を衰退させてきた自公政権が、この米不足の状況を作り、そして備蓄米を放出して、国民に有り難く思ってもらおうとしている、と考えるべきです。
 いわゆるマッチポンプ(偽善的な自作自演)です。自公政権は、自分で災いを招いてそれを自分で鎮めて、そして利を得ようとしているのです。

 果たして、この現状を描いたシナリオライターがいるかどうかは不明ですが、昨年後半からの米不足とその放置、そして、最初の備蓄米放出の失敗、さらには、農水大臣の交代からの小泉劇場、そして7月の参議院選挙と、選挙が自公政権の追い風になるように、米を利用したと考えることもできなくはありません。

 ただ、仮にシナリオライターがいたとしても、前農水大臣の失言は想定外だったでしょう。しかし、それを小泉進次郎氏への大臣交代といった形で、逆に強力な追い風を演出できたと、ほくそ笑んでいるかもしれません。

 昨年の米作況指数は平年並みだったのに、なぜ備蓄米を放出せざるを得なくなったのか。繰り返します。今の米不足はこれまでの自公政権の失策が引き起こした人災です。私たち有権者はこのことを忘れてはいけません。

 マスコミでは、小泉大臣が大きく取り上げられ、備蓄米の試食会をする自民幹部のことなどがしきりに報道されています。
 こうした報道におどらされて、自民党のおかげで米価格が下がった、有り難い、などと決して思ってはいけません。

 備蓄米で米価格が低下したとしても、それは自公政権のマッチポンプ(偽善的な自作自演)であることを、しっかりっと認識する必要があります。

2025年6月5日