地震前兆ではなさそうな青森の地鳴り
2025年5月3日午前9時15分頃、青森県の津軽地方を中心に地鳴りがあったことがニュースになりました。
その原因は不明でしたが、7日のニュースで新たな情報が示されました。
"「地鳴り」実は空中発生?/京大准教授分析" 2025年5月7日
(https://www.toonippo.co.jp/articles/-/2014736)
京都大学防災研究所の山田真澄准教授によりますと、地震波の解析から今回の衝撃音を出したものの震源は空中にあることがわかった、とのことです。
また、この衝撃音を発した物体は、青森県西方沖の空中を東から西へ高速で移動したと考えられる、とのことでした。
(詳細は山田真澄准教授のホームページ内「2025年5月3日青森県津軽地方の爆発音の震源の軌道推定」http://www.eqh.dpri.kyoto-u.ac.jp/~masumi/eq/sonicboom2025_05/index.htm にあります。)
ただし、航空自衛隊三沢基地やアメリカ軍三沢基地では、そのような衝撃音を出すような飛行はしていないとのことでした。
(https://www.rab.co.jp/news/news108vgh56pqyu02bf82v.html)
したがって、空中起源であることはわかったものの、自衛隊やアメリカ軍の飛行機以外の高速で空中を移動する物体ということになります。具体的にそれが何かまではまだわかっていません。
さて、今回の青森の件は違っていたようですが、大きな音を立てて揺れ動く鳴動(地鳴り)は、地震前兆のひとつといわれることがあります。
1964年6月16日に発生した新潟地震(マグニチュード7.5)では、同年2月と3月に新潟県柏崎市小清水地区で複数回、爆発音のような地鳴りがあったと報告されています。
この地鳴りに関しては、東京大学地震研究所が原因究明のための調査を行っています。そして、地震計設置後の1964年8月27日に2回この地鳴りがあり、同時に地震計が揺れをキャッチしました。
解析の結果、この地鳴りは小清水地区の地下10km程度で発生した地震に伴うものでした。この結果から、地震前2〜3ヶ月前の地鳴りもこの地域での地震が原因だったと結論づけたようです。
(https://kanbara.sakura.ne.jp/page19.html)
では、この小清水地区における小さな地震は、新潟地震に関連した、いわゆる前兆現象だったのでしょうか?
その可能性は否定できないものの、明確に関連があったとも言えなかったようです。