大地震のうわさで香港からの観光客が減る

 「◯月◯日に◯◯地方で大地震が発生する」といったうわさが世間に広まったものが地震流言(じしんりゅうげん)です。

 "「99%が信じている」うわさを理由に仙台-香港便が減便 知事「非科学的で由々しき問題」【宮城発】" 仙台放送 2025年4月23日
(https://www.fnn.jp/articles/-/862263)

 7月に日本で大地震が起こる、といったうわさが香港で広まり、実際に観光客が減っていることから、仙台空港と香港を結ぶグレーターベイ航空が、2025年5月から週4往復を週3往復にすることを決めた、とのことです。

 同様の話は、四国の徳島でもニュースになっています。
 "「今夏に日本で大地震・津波」風水師の予言広がり旅行控え、香港便が週2往復に減便へ" 2025/04/22
(https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250424-OYO1T50041/)

 仙台と同じグレーターベイ航空が5月12日以降の徳島―香港の定期便を週3往復から週2往復に減便する、とのことです。

 仙台の件も徳島の件も、うわさが原因となっている点は同じです。しかし、両記事の内容を見ると、そのうわさの出どころが異なっていました。

 仙台のニュースでは、漫画家・たつき諒さんの『私が見た未来』が、うわさの発端となったとしています。
 一方、徳島の記事では、香港の著名な風水師が今夏に日本で大地震・大津波が起こると予言したことが、うわさとして広まったと報道しています。

 ただ、香港の著名な風水師が『私が見た未来』のことを知っていたなら、たつき諒さんが見た「2025年7月に起きる災害」に便乗したと考えることができます。

 仮に、いずれも『私が見た未来』が元ネタとするなら、香港の人たちは自分ごととして考える必要があります。
 たつき諒さんが見た2025年7月の夢は、日本とフィリピンの中間あたりの海域で起こる異変です。
 この異変が何なのか(火山噴火?隕石衝突?)はわかりませんが、それによって日本とフィリピンの中間あたりで超巨大津波が発生するというものです。香港も無事ではいられないでしょう。

 この点を考慮すると、元ネタは『私が見た未来』であったとしても、その内容が日本限定の災害予言に書き換えられたうわさ、ということになります。

 実はこうした地震流言は、しばしば発生しています。
 地震流言に見られる共通項としては、
1)発生の月日が特定(場合によっては何時何分まで)
2)うわさの出どころとして、ある権威を利用
などが挙げられます。

 さて、SNS上では、明日4月26日に東京で大地震が発生する、といった沖縄の霊能力者による予言が拡散しているようです。

2025年04月25日