地震予言を扱う番組に求められる姿勢
SNS上で拡散されていたとされる「4月26日に東京で大地震が発生する」といった予言はハズレました。
この予言は沖縄の霊能力者によるもので、東日本大震災を予言した、とされています。
当時、私もネット情報を調べましたが、東日本大震災を事前に言い当てた予言はひとつもありませんでした。
ただし、ある予言者が事前にそれらしき内容を書き込んていた、と言われたことがありました。しかし、書き込みのログだっったでしょうか(記憶が曖昧)、そこから、実は地震後に地震前に書いたように装っていたことがバレてしまいました。
したがって、東日本大震災を予言した霊能力者と言っている時点で、このうわさはウソだとわかります。
さらに、私が見たSNSでは、この霊能力者はこの予言を最後に姿を消した、とありました。ハズレた際の責任回避も周到です。
このようなことから、うわさの出どころは沖縄の霊能力者ではなく、愉快犯によって作られたものと推測します。
今回の地震流言については、4月26日の前々日に ABEMA TV が取り上げていました。
(https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p6411?utm_campaign=abematimes_link_article_box_10175468_ap_free_episode_89-66_s99_p6411&utm_content=10175468&utm_medium=abematv&utm_source=abematimes)
(https://times.abema.tv/articles/-/10175468)
この番組では「とある家庭では小学生が自宅で防災グッズをチェックしはじめ、都内のある小学校では素早く机の下に隠れる遊びが流行った」と紹介しています。
「とある家庭」、一軒でもあればそう言えます。また「遊びが流行った」といいますが、都内のいくつの小学校を調べ、この遊びをしていた小学生が全体の何割いたのか、といった調査がされた節がありませんでした。
AMEBA TV とはいえ「流行った」というのであれば、その根拠となる調査データを示すべきです。
この番組は曖昧な情報とどう向き合うべきか、がテーマなのに、番組自ら曖昧な情報を根拠にしている時点で、いかがなものか?と思ってしまいました。
私は「2008年6月に山形で大地震が発生する」といった地震予言で、うわさが広まった中心世代と考えられる中高生を対象としたアンケート調査を山形県全域で実施した経験があります。
私一人でもできたことですから、スッタフがいる AMEBA TV にできないはずはありません。時間的な制約を考えるなら、例えば、東京23区内の全小学校から無作為にいくつかの小学校を選び、電話調査するぐらいのことはできたでしょう。
曖昧な情報とどう向き合うべきかをテーマとするなら、曖昧さをできる限り取り除いた情報を根拠に番組を制作すべきです。