都議選の投票率、それでも半分以下

 22日投開票の東京都都議会議員選挙の投票率は 47.59%で、前回よりも5.2ポイント増えました。
(例えば、https://www.yomiuri.co.jp/election/togisen/20250623-OYT1T50048/)

 増えたとはいえ、有権者の半分以上が自らの権利を放棄したことになります。

 総務省の『国政選挙における年代別投票率について』をみると、30歳代以下のほうが、40歳代以上よりも選挙権を放棄している割合が高くなっています。
(https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/)

 ではなぜ、特に若者は選挙権を放棄するのでしょうか?

 公益財団法人明るい選挙推進協会による『第50回衆議院議員総選挙全国意識調査(令和7年3月発行)』によれば、「適当な候補者も政党もなかったから」が28.6%で最も多く、次いで「選挙にあまり関心がなかったから」26.3%、「体調がすぐれなかったから」19.9%、「仕事があったから」19.4%となっています。
 18-29歳までの若者の層に限ってみますと、「選挙にあまり関心がなかったから」が最も多く 39.4%です。
(https://www.akaruisenkyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2018/07/50syuishikichosa.pdf)

 大阪維新の会による「若者の政治参画意識」に関する調査(2024年1月実施)によると、若者の選挙投票率が低い理由(複数選択可)は「よくわからない/判断できないから」が40.4%、「投票しても政治は変わらないと思うから」39.8%、「投票したい政党がないから」が37.9%となっています。
(https://kyodonewsprwire.jp/release/202401265816)

 また、第一生命研究所「シリーズZ世代考(1)「なぜZ世代の投票率は低いのか~政治不信を乗り越える主権者リテラシーの醸成を~」(2024.10.15)の中で、著者の西野偉彦氏は、投票を棄権する理由として「政治への信頼度の低さが要因になっている可能性」を示しています。
(https://dlri.co.jp/report/ld/381661.html)
 政治への信頼度の低さが、政治への関心のなさにつながっている可能性も考えられます。

 では、どうすれば政治への関心が高まるのでしょうか。やはり重要なのは教育ではないかと考えます。

 全国の満18歳~20歳を対象に行なった「18歳選挙権に関する意識調査」によりますと、高校で選挙・政治に関する授業を受けた人の投票割合は、授業を受けなかった人より約7ポイント高い、とあります。学校における教育が少なからず政治への関心を高め、投票行動につながったと考えられます。
 また、高校での選挙・政治に関する授業については、各年で大きな差ありました。授業を受けたことがない割合は、20歳が最も多く50.0%、19歳38.3%、18歳28.9%です。高校での選挙・政治に関する教育は広がる傾向にあるようです。
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000461906.pdf)

 「投票しても政治は変わらないと思うから」と考えている人は、その考えを改めた方がよいです。
 例えば、今年3月に行われた秋田県知事選挙は、新人3名による戦いとなりました。結果は、無所属の鈴木健太氏が既存の複数政党が推していた候補者を破って当選しました。
 また、今回の都議選では千代田区で、無所属の新人さとうさおり氏(ネットではそれなりに知名度あり)が、都民ファーストの会所属の現職を破って当選しました。

 7月には参議院選挙があります。よりによって、投票日は連休なか日の20日です。すでに多くの国民が、投票率を下げたい連中の姑息な手段と見抜いています。

 ひとりは一票しかありませんが、それが積み重なれば現状を変えることができます。
 もし、現状に不満があるならなおさらのこと、大切なその権利を使いましょう。
 また、「適当な候補者も政党もない」なら、消去法で最後に残った候補者や政党を選びましょう。

2025年6月25日