AIの進歩が温暖化を促進する!?

 ChatGPTをはじめとした生成AIは、急激に社会へ浸透しています。
 1億ユーザー到達までの期間を主要なSNSと比較しますと、X (旧Twitter) は5年、Instagram は2年半、TikTokが9ヶ月かかったのに対し、ChatGPTはたった2ヶ月でした。
(https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/generativeai/)

 生成AIのメリットとしては、業務効率化やコスト削減、教育や学習の支援などが挙げられます。
 一方、デメリットとしては、誤情報(ハルシネーション)生成の恐れ、著作権や倫理の問題、フェイクコンテンツの拡散、労働への影響などが考えられます。

 上記の内容は、一般的なメリット・デメリットとして知られていることですが、地球温暖化や環境破壊、資源枯渇といったSDGsにも反するデメリットについては、残念ながら、広く知られてはいません。

 生成AIは大量の電力を消費します。そればかりか、冷却のために大量の水も消費します。そして、電子機器の寿命の短命化などによる大量の廃棄物といった問題があります。

 "ChatGPT、学習で大量CO2 AIと温暖化「不都合な真実」" 2023年5月6日 8時00分 朝日新聞DIGITAL
(https://www.asahi.com/articles/ASR515GBJR51ULBH002.html)
 "大量の電力を消費する「AI」で世界はエネルギー危機に" 2024.05.28 09:00 Ariel Cohen | Contributor
(https://forbesjapan.com/articles/detail/71224)
 "GPT-4が1回の利用で500mlの水を消費?AI技術の隠れたコスト" 2024/9/21 12:04
(https://www.multifverse.com/blog-posts/ai-development-water-usage)
 "30年までに最大500万トン、生成AIブームで大量の電子廃棄物" by Casey Crownhart 2024.11.05
(https://www.technologyreview.jp/s/349039/ai-will-add-to-the-e-waste-problem-heres-what-we-can-do-about-it/)

 残念なことに、企業側は自社のAIの電力消費量や水の消費量、二酸化炭素排出量などを公表していません。
 "AIの消費電力はどれくらい? 答えを知る者たちは沈黙している" Molly Taft Science 2025.07.07
(https://wired.jp/article/ai-carbon-emissions-energy-unknown-mystery-research/)

 上記の記事にはありませんが、大量の電子機器廃棄物が出てくるということは、限られたリサイクルのもとでは大量の鉱物資源が必要で、その採掘や製錬、運搬等による環境破壊やエネルギー消費もあります。

 やれ温暖化だ、SDGsだといいながら、AIの不都合な真実に切り込もうとする各国リーダーはいません。
 このような現状を見るにつけ、温暖化を抑止しようなどと本気で考えている国はないと考えざるを得ません。
 そして、マスコミがこうした不都合な真実を追求することもありません。

2025年8月14日