7月5日騒動を振り返る(2)

 訪日を控えた香港の人たちは、誰の予言を信じたのでしょうか?

 "大地震「予言」に翻弄される香港人 元凶は漫画家予知夢、風水師 -日本への航空便減相次ぐ-" 2025年6月20日 08時19分
(https://www.worldtimes.co.jp/global/china/20250620-196673/)
によれば、香港の有名な風水師複数名が、日本での大地震を予言したとあります。

 この記事によれば、李丞責(りじょうせき)氏は、2025年は日本で大地震により大型の高層建築が破壊されると話し、七仙羽氏(本名・趙玲)は、24年末に地震が起こるので25年4, 5月は日本に行くべきではないと発信した、とのことです。そして、日本では4, 5月に地震が起きたので7月は起こらないだろうと発言を修正した、とあります。

 ただし、2025年4月または5月に、被害が出るような地震、例えば震度6弱以上の地震はひとつもありませんでした。小さい地震も含めれば、日本で地震は毎日発生しています。七仙羽氏がいう4, 5月に起きた地震がどの地震を指しているのかがわかりません。

 また別の風水師である蘇民峰氏は、25年は香港から見て東北に当たる日本、韓国、アラスカは天変地異が起こりやすいので旅行は避けるべきだと話し、麥玲玲氏も25年旧暦7月、日本・北海道での地震、富士山の噴火に警戒すべきだと話した、とあります。

 そして、この記事を書いた世界日報の編集部は、「いずれの風水師も、たつき諒氏の予言を肯定的に受け止め、不安を煽っている。」と断じています。

 さらに、「香港の有名な風水師たちのここ10年の動向を見ても、日本で大地震が起こることを予言している内容は非常に多い。香港のメディアに頻繁に登場する風水師たちは毎秋、次年度の運勢や各国の運勢を新刊書籍で紹介し、日本や台湾で地震が起こると予言し、実際に当たったと自賛するケースが後を絶たず、外れたことは沈黙を通す。」と、この編集部は風水師の実態を紹介しています。

 香港で有名な風水師がこの記事以外のことで、具体的にどのような予言をしていたかについては不明です。
 ただし、彼ら風水師は数多くの予言を発し、当たったところだけを自画自賛しているようなので、「誰でも当てることができる予言の方法」を実践しているに過ぎないようです。

 なお、蘇民峰氏の「アラスカは天変地異が起こりやすい」の部分は当たったといえるでしょう。
 しかしながら、台湾や日本、アラスカはもともと地震多発エリアです。そのような地域を対象に、毎年「地震が起きる」と予言していれば、いつかは当たるに決まっています。これもまた、誰でも当てることができる予言をしたに過ぎません。

 香港の人たちは、彼ら風水師による毎年の予言書籍を読むことができるでしょうから、ぜひとも、過去に遡って予言内容を検証してもらいたいところです。

2025年08月10日