7月に地震が来るから、と
私の近しい人からも、「7月に地震が来るから水を買った友人がいる」といった話を聞きました。
7月5日の地震説は、いまやネットだけでなく、地上波のテレビでも取り上げられた話題のため、多くの人が耳にしていることだと思います。
地震に備えることは大切なことなので、それ自体を否定するつもりはありません。
ただ残念なことは、その防災行動が無知から生まれていることです。
気象庁のホームページを見れば、日時と場所、地震の規模を特定した、いわゆる地震予知(確度の高い地震予測)は、科学的な知見からは困難であることがわかります。
(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq24.html)
このことを知っていれば、地震発生のうわさ(地震流言)に惑わされることはないはずです。
しかし、人間は論理的な行動ばかりをとるわけではありません。
人間には危険を回避しようとする本能が備わっている、ということを聞いたことがあります(不確かな情報で申し訳ございません)。
人間が捕食者に襲われるのが常だった原始時代、例えば草むらで物音がした時に、身の危険を感じる本能です。これは人に限ったことではないかもしれません。
もし、この本能が本当にあるとすれば、今回の7月5日地震予言のような、非科学的な風説であっても、またそれを本気で信じていなくても、もしものことを考えて備えの行動をとることが理解できます。
2025年06月18日付ブログ『地震流言の事例とその結果』でも示したように、少なくとも私が調べた範囲では、地震流言が当たったことはありません。
私なら、そうした過去の事実をまずは示し、危険回避という本能的な性質から備えの行動をとることを全否定はせず、ただし、科学的に地震予知は(少なくとも現時点では)できないことを説明します。