エチオピアの火山が約1万年ぶりに噴火
先月末に、エチオピアのハイリ・グッビ火山が約1万年ぶりに噴火したといったニュースがありました。
"エチオピアのハイリ・グッビ火山が1万年ぶりに噴火、噴煙が大陸を越えて広がる" 2025.11.25 Tue posted at 17:08 JST
(https://www.cnn.co.jp/world/35240860.html)
他の記事では約1万2千年ぶり、とあります。
"1万2000年休眠の火山が突然噴火し近隣村が灰で覆われフライト欠航も…噴煙はエチオピアからアラビア半島まで" 2025年11月26日 水曜 午後6:05
(https://www.fnn.jp/articles/-/966098)
火山噴火を扱う場合、2千年程度は誤差の範囲ということでしょう。
日本には現在、111の活火山があります。活火山の定義は、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」になります。
(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kazan/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html)
日本の活火山で、最後の噴火が概ね1万年前になる火山としては、長野・岐阜県県境の安房(あぼう)峠の北西に位置するアカンダナ山や、山形県最上郡大蔵村の肘折カルデラが該当します。
(https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/335_Akandanayama/335_index.html)
(https://www.data.jma.go.jp/vois/data/sendai/217_Hijiori/217_index.html)
一方、活火山に分類されているものの最後の噴火が概ね1万年前かどうかが疑わしい火山もあります。それは、群馬県の赤城山です。
地質学的な調査により分かっている赤城山の火山活動は、およそ2万4千年前のものが最新です。これでは「概ね1万年前」といった定義に当てはまりません。
しかし、吾妻鏡の記録に1251(建長3)年〈上野国赤木嶽焼〉とあり、これを噴火の記述と解釈し、活火山に分類しているのが現状です。ただし、この年代の噴出物が見つかっていないことから「山火事」とする説もあります。
(https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/5245)
気象庁は、安全面を優先してこの記録を「噴火」として扱っていると考えられます。
今回のエチオピアのハイリ・グッビ火山の噴火は、日本の活火山の定義「概ね過去1万年以内に噴火」が妥当なものであることを裏付けたといえるでしょう。