初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)
先週8月8日に日向灘でマグニチュード7.1(モーメントマグニチュード7.0)の地震が発生しました。
この地震が南海トラフ地震の想定震源域で発生したモーメントマグニチュード7.0以上の地震だったことから、気象庁は初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。
海水浴場での遊泳禁止や新幹線の減速走行、予定されていた行事の中止など、地震発生を考えての対応があった一方、予定通りに行事を実施するなど、各所で対応は分かれました。
漫画家の倉田真由美さんが、現状に疑問を呈したことを中日スポーツが取り上げています。
"南海トラフ地震への注意呼びかけ、倉田真由美さんは異議 「他人や社会を巻き込むのはやめて」私見に反応さまざま" (2024年8月10日 20時11分)
(https://www.chunichi.co.jp/article/942089)
"倉田さんは「『来るか来ないか分からない危機に十二分に備え毎日を生きる』って、これもう個人の趣味」とつづり、「自分だけなら好きにすればいいが、他人や社会を巻き込むのはやめて」と私見を記した。" とあります。
大地震などの大災害は、そもそも多くの人を巻き込み、社会も巻き込むものです。「巻き込むのはやめて」といわれても、それは難しいのではないでしょうか。
また、あるニュースでは、防災グッズが通常よりも売れている、と報道していました。
だいぶ前のことになりますが、2008年に愛知県岡崎市を中心に、東海地方で大地震が発生するといったうわさ(地震流言)が広まりました。
この出来事については、のちに現地調査をしています。
岡崎市では、地震が発生するとされた日の前後を、自宅より安全なホテルで過ごした市民がいたとのことです。
また、このときも今回同様に、防災グッズが通常より売れたそうです。
当時の市の防災担当の方は、何度も繰り返し市民に話しても進まなかった防災への準備が、地震発生のうわさで一気に進んだ、と話していました。
今回の情報は、南海トラフ地震発生の可能性が通常より高まったとはいえ、必ず近日中に発生する、といったものではありません。
こうしたあいまいな情報に、どのように対応すれば良いかは迷うところです。それでも、社会全体として防災への意識が高まり、備えも進んだのであれば、良い方向に進んだのではないかと考えます。
問題は、次の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)がいつ出されるか、またそのときの対応です。