偽情報の拡散防止は必要だが、、、

 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を受け、岸田首相はSNSなどによる偽情報を拡散しないよう呼び掛けました。
(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024080801051&g=pol)
 8日の夜にニュースを見ながら、「偽情報を拡散しないよう」の発言に引っかかってしまいました。

 確かに偽情報を拡散しないことは大切です。

 問題は、偽情報とは思わずに拡散してしまう場合があることです。注意を促すのであれば、「まずはその情報の真偽を確かめる」ことを先に呼びかけた方が良かったのではないか、と思いました。

 偽情報との認識がなく、よかれと思って他人に伝えてしまうことは、善意の拡散などと呼ばれることがあります。偽情報とは思っていないから、厄介なのです。
 ただし、科学的な知識がなくても、大地震発生後には必ずと言っていいほど、地震再来のうわさが流れることさえ知っていれば、拡散を止めることができるかもしれません。

 地震発生のうわさ(偽情報)にはいくつかの共通項があります。

(1) 場所や発生日、場合によっては時間まで指定
 発生日が示されていた時点で偽情報と考えましょう。私も科学的に地震予知を研究しています。発生日を正確に言い当てるなどできません。

(2) もっともらしい権威を利用
 大学や研究所などの公的機関や、場合によっては「○○を当てた予言者」などからの情報として、信頼性を高めようとしています。情報を流したとされる機関のホームページなどを直接チェックすれば、偽情報だとわかります。

(3) 不安な出来事の後(人々に不安が広まったとき)に発生
 大地震発生後の地震再来流言はまさにこれです。大地震発生後、全く別の地域で、次の大地震が来るといったうわさが広まる場合もあります。

 以前は、地震再来流言ではないタイプの地震流言が時折発生していましたが、近年は影を潜めています。
 一方で、地震再来流言は後を立ちません。もちろん今回もSNS上で(一部の人たちのあいだで)話題になっているようです。

 "気象庁「予知はデマ」明言、地震雲の発生や動植物の予知能力は「科学的な根拠に欠ける」"(2024/08/12 10:00)
(https://www.yomiuri.co.jp/national/20240812-OYT1T50051/)
 "気象庁がホームページで「日時と場所を特定した地震を予知する情報はデマ。心配する必要はない」と呼びかけている"とあります。

 「何月何日どこどこで大地震発生」といった類のものは、すべて偽情報です。
 拡散しないようにしましょう。

2024年08月14日