トラップドア断層破壊による津波

 9月24日午前8時14分ごろ、鳥島近海を震源とするマグニチュード5.9(速報値)の地震が発生しました。この地震で八丈島八重根では50cmの津波が観測されました。(https://www.jma.go.jp/jma/press/2409/24a/kaisetsu202409241020.pdf)

 津波を起こすにはマグニチュードが小さいと思いましたが、以下のニュースがありました。
 "津波 “海底隆起するトラップドア断層破壊が原因の可能性”" 09月24日18時43分
(https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240924/1000109399.html)

 「トラップドア断層破壊」については、以下に詳しい説明が載っています。
 "地震規模に比べて大きな津波を繰り返し引き起こす火山性地震の発生メカニズム:海底火山・須美寿カルデラにおける「トラップドア断層破壊」"
(https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/research/17626/#:~:text=トラップドア断層破壊と,にして発生します.)

 トラップドア断層破壊による津波は、簡単に言うと、海底カルデラの下にあるマグマが変形し、上向きの力が働いて岩盤が隆起することによって発生すると考えられています。

 ちなみに、トラップドアとは床や天井と同一面にある戸のことです。
(https://en.wikipedia.org/wiki/Trapdoor)

 今回の地震の震源は鳥島近海の須美寿島付近です。
 このエリアではおよそ10年に1度、マグニチュード5.4–5.7程度の地震が発生し、それに伴う津波が観測されています。
 東京大学地震研究所の三反畑修助教によれば、今回の津波も同様のメカニズムで起きた可能性があるとのことです。

 私たちがよく知っている津波発生のメカニズムは、海溝型地震のプレートの跳ね返りによるものです。
 また、地震の揺れにより海底地滑りが発生し、津波が増幅されることもあります。海底地滑りによる津波もあります。
 さらに、「島原大変肥後迷惑」で知られる山体崩壊による津波のように、大量の土砂が一気に海に流れ込むことによって発生する津波もあります。

 最後に、今回注目された須美寿島周辺の海域では、海水の変色が確認され、気象庁が9月19日に噴火警報を発表しています。
(https://www.jma.go.jp/jma/press/2409/19a/20240919_sumisujima.html)

2024年09月26日