南海トラフ地震、経済的損失は最大292兆円超
"「被害を減らさないかぎり、この国の将来が危ぶまれる」南海トラフ地震 被害想定の見直しで新たな課題" 2025年3月31日 17:20
(https://news.ntv.co.jp/n/ytv/category/society/yt91d50f855e8d4789b615867ecf6e8417)
南海トラフ巨大地震の被害想定が12年ぶりに見直され、3月31日に新たな内容が示されました。
記事タイトル内の「被害を減らさないかぎり、この国の将来が危ぶまれる」は、今回の見直しを行なった国の有識者会議メンバー福和伸夫主査の言葉です。
この動画記事では、最大震度7に加え最短2分で津波が押し寄せるとされる和歌山県串本町の、東日本大震災以降の取り組みが紹介されています。
消防署や役場、病院、こども園などの公共施設が次々と高台へ移転しました。こうした公共施設の高台移転は、被害の減らすだけでなく、被災後の救助や支援のためにも重要な措置です。
南海トラフ地震による経済的損失は最大で292兆円超と、前回(2013年)の約220兆円から悪化しました。
理由としては、建物の耐震化など人命に直結する対策が計画通りに進んでいないことに加え、インフラの老朽化が被害を拡大させる、としているからです。
(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE263IX0W5A320C2000000/)
2024年度の国の一般会計予算がおよそ113兆ですから、292兆円という損失額はその2.6倍にもなります。
この数字をみれば、国家存亡の危機であることがわかります。福和伸夫主査の「この国の将来が危ぶまれる」といった言葉は切実です。
人命に関しては、高齢化が進むことにより、津波からの逃げ遅れや避難自体を諦めることによる死者増が考えられます。
さらに、生き残ったとしても、長引く避難生活によって災害関連死が増えてしまう恐れがあります。
影響は被害想定地域だけにとどまりません。
地震や津波によって直接的な被害がなかった地域でも、物流の停滞により、食料をはじめとした物資不足やガソリン等のエネルギー不足が発生するでしょう。
そして、その不足の程度は、東日本大震災のときとは比べ物にならないくらい深刻で、広範囲に及ぶ恐れがあります。
直接的な被害が及ばない地域であっても、食料備蓄などの防災対策は欠かせません。